日本の花・花を詠んだ句

日本に咲いている四季の花・花を詠んだ句を紹介します♪

夕栄に こぼるる花や さるすべり

2022年07月30日 | 夏の花


夏本番を迎え、厳しい暑さが続いています。
こまめな水分補給を心がけて、体調に気をつけてお過ごしくださいね♡

夕方に運動をかねて自転車で出かけているのですが、
我が家の自転車は、変速機能がない普通の自転車で・・・
上り坂では自転車を引いて歩いています。

日陰を通りながら坂道を歩いておりましたら、
一本の大きな百日紅(さるすべり)の木がありました。
夏空とピンクの鮮やかな花々とのコントラストがとても素敵で・・・
綺麗なお花を愛でながら、木陰で一休みさせていただきました。

「夕栄に こぼるる花や さるすべり」

大正時代から昭和時代に活躍された俳人「日野 草城 (ひの そうじょう)」が詠んだ句です。

◎夕栄 → ゆうばえ(=夕映え)

漢字では「百日紅(さるすべり)」と書き、「ひゃくじつこう」とも呼ばれています。
夏から秋にかけて、ふんわりとした色鮮やかな花が次々と開花し、
長期間(約100日)花を楽しませてくれる樹木として、古くから親しまれています。

ふわふわと風に揺れている花々を見ておりましたら、
夏祭りの屋台の綿菓子を思い出して、とても懐かしい気持ちになりました♡
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きりきり しゃんとしてさく 桔梗かな

2022年07月13日 | 夏の花


7月に入り、小庭では青紫の桔梗(ききょう)が元気に咲いてくれています♡
今年は梅雨入りも梅雨明けも早くて・・・
植物たちにとっても、私たち人間にとっても調子を整えるのは大変ですね。

この桔梗も、今年は葉っぱや新芽を虫に食べられて心配しておりましたが、
しゃんとして咲く花姿に元気をもらっています。

「きりきり しゃんとしてさく 桔梗かな」

江戸時代を代表する俳人「小林 一茶(こばやし いっさ)」が詠んだ句です。

◎きりきりしゃん → 身なりなどがきちんとしていて、立居振舞に一分のむだもなく、
かいがいしいさまを表わす語

「きりきりしゃん」を調べておりましたら・・・
102歳まで現役の芸妓さんとして活躍されていた「蔦清小松 朝じ(つたきよこまつ あさじ)」さんという、
東京柳橋の伝説の芸妓さんと深いつながりのあることがわかりました。

「気持ちを引きしめ、背筋をのばす」=「きりきりしゃん」
“ 心がキリッとしていれば、姿もシャンと引きしまります ”
生涯にわたり人生の教訓とされていらっしゃったそうです。

明治時代から平成時代にかけて長年にわたりお座敷に出られていた「朝じ」さんは、
多くの著名人の方々にも慕われており、95歳(平成元年)の時に伝統芸能継承者として、
黄綬褒章(おうじゅほうしょう)を受章されました。

一茶の句に用いられている「きりきりしゃん」・・・
江戸の“粋(いき)”を感じる素敵な言葉ですね♡
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