日本の花・花を詠んだ句

日本に咲いている四季の花・花を詠んだ句を紹介します♪

待ちたりし 赤朝顔の 今朝咲きし

2021年08月07日 | 夏の花


8月に入り、連日厳しい暑さが続いております。
こまめな水分補給を心がけながら、体調管理に気をつけてお過ごしくださいね。

我が家の小庭には、朝顔(あさがお)が毎朝元気いっぱいに咲いてくれています。
6年前から空色と紅色の二種類の朝顔を育てておりまして・・・
タネを採取しながら毎年楽しませてもらっています。

「待ちたりし 赤朝顔の 今朝咲きし」

明治時代から昭和時代初期に活躍された俳人・小説家「高浜 虚子(たかはま きょし) 」が詠んだ句です。

子供の頃、ラジオ体操に行く時に朝顔が咲いているのを見つけますと、
とても嬉しくなって・・・
開花を毎朝楽しみにしていたことが懐かしく思い出されます。

一昨年は、姪っ子が夏休みに学校で育てていた朝顔の鉢を持ち帰り、
大切に育てていました。
開花が始まりますと、写真を送信してくれまして・・・
元気パワーをいただいておりました。

現在開催中の東京オリンピックの会場では、
子供たちが育てた朝顔と応援メッセージが、選手の皆さんたちをお出迎えしてくれているそうです♡
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白桔梗 一輪凛と ひらきけり

2021年07月08日 | 夏の花


7月になりました。
関東地方では、雨が降ったり止んだりのお天気が続いております。
梅雨の晴れ間の小庭には、八重咲きの白桔梗(しろききょう)が咲き始めました。

小さな苗から育てて三年目になります。
昨年は、父の看護や介護でずっと三重県におりましたので・・・
初めて見ることができました。
涼やかに凛と咲く花姿に、元気パワーをいただいています♡

「白桔梗 一輪凛と ひらきけり」

大正時代から昭和時代に活躍された俳人「日野 草城 (ひの そうじょう)」が詠んだ句です。

桔梗は、古くから日本全土に自生していたと言われています。
日本最古の和歌集「万葉集」では「朝貌(あさがお)」の名で詠まれています。
「秋の七草」としても親しまれていますね。

また、戦国武将「明智光秀(あけち みつひで)」の家紋としても知られています。
桔梗の木偏(きへん)を取ると「吉更」となり、
「さらに吉」となることから、多くの戦国武将たちに好まれていました。
柴田勝家(しばた かついえ)、大田道灌(おおた どうかん) 、加藤清正(かとう きよまさ)などが
桔梗紋を家紋として用いています。

*   *   *   *   *   *   *   *   *   *
この度の大雨により被害にあわれた皆様に、心からお見舞い申し上げます。
被災された皆様の安全と一日も早い復旧を祈念しております。
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梅干すや 桔梗の花の 傍に

2021年06月19日 | 夏の花


関東地方も梅雨入りし、朝から雨が降っています。
昨日は、梅雨の晴れ間でお天気も良く・・・
小庭には、背の高い青紫の桔梗(ききょう)が咲き始めました。
隣にある白桔梗の蕾も、少しずつ大きくなってきました。

「梅干すや 桔梗の花の 傍に」

明治時代を代表する俳人・歌人「正岡 子規(まさおか しき)」が詠んだ句です。

◎桔梗→ききょう
◎傍→かたわら

6月は、青梅の季節ですね。
我が家では、毎年「梅シロップ」を手づくりしています。
白湯や炭酸水で割ったり、寒天で作る梅ゼリー、
梅シロップで使用した梅で作る梅ジャム・・・
毎年、色々と楽しませてもらっています。

その当時は、お砂糖は貴重品でしたから、
この時季には、梅干し用の塩漬けした梅を干していたことと思います。

梅雨明けと同時に、一つ一つがくっつかないように・・・
せいろの上に離して並べて天日に干してゆきます。
その後、裏返してはまた裏返す作業を3日~5日かけて行います。
太陽の紫外線(殺菌力)によって、常温で長期保存可能な梅干しになります。

おいしく仕上げるには、7月20日ごろ(夏土用入り)~7月23日ごろ(大暑)の間の、
三日三晩の「三日間」に干す「土用干し」が、一番おいしく仕上がると言われています♡
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白紫陽花 切なる白を 守るかな

2021年05月28日 | 夏の花


関東地方では、まだ梅雨入りの発表はございませんが、
統計以来もっとも早い梅雨入りとなった地域もあり、季節が駆け足で夏へと向かっているようですね。
我が家の小庭の紫陽花も、平年よりも早く開花したように感じています。

画像は、近所で長年にわたり静かに咲いている白紫陽花(しろあじさい)です。
ブルーやピンクの紫陽花も素敵ですが、清楚な感じの白紫陽花も素敵ですね♡

「白紫陽花 切なる白を 守るかな」

昭和時代から平成時代に活躍された俳人「能村 登四郎(のむら としろう)」が詠んだ句です。

紫陽花の歴史は古く、日本最古の和歌集「万葉集」に登場しています。
梅雨の時季に合わせて開花がはじまり、雨にあたる毎に微妙に色を変化させてゆきながら、
今も私たちを楽しませてくれていますね♡

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母の日の 更に芍薬 ひらきけり

2021年05月11日 | 夏の花


5月になり小庭には、日本芍薬(にほんしゃくやく)が見頃を迎えています。
小さな球根から育てて3年目になります。

ゴールデンウィークが始まる頃に大輪の白が咲きはじめ・・・
一昨日の母の日には、濃いピンクや淡いピンクも咲きました。
大きな花や小さな花がありますが、美しい花々に癒されております。

「母の日の 更に芍薬 ひらきけり」

大正時代〜平成時代に活躍された俳人「百合山 羽公(ゆりやま うこう)」が詠んだ句です。

◎芍薬(しゃくやく)→夏の季語

芍薬の歴史は古く、平安時代に薬用として渡来しました。
現在でも、乾燥させた芍薬の根は漢方薬として活用されています。
その後、室町時代の頃から観賞用として栽培されるようになり、
江戸時代には、園芸品種として改良が進み多くの品種が誕生しました。

「立てば芍薬(しゃくやく)、座れば牡丹(ぼたん)、歩く姿は百合(ゆり)の花」という
美しい女性を花にたとえたことわざは、古くから慣れ親しまれていますね♡
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物陰や 百日草の 今も咲く

2020年09月10日 | 夏の花


9月になり、厳しい暑さも少しずつ和らいできました。
夏疲れが出ませんように・・・どうぞ体調にお気をつけてお過ごしくださいね。

画像は、親戚のお庭の片隅に咲いていた百日草(ひゃくにちそう)です。
長年にわたり毎年同じ場所に、こぼれ種で咲き続けているそうです。

「芽が出てから、何色のお花が咲くのかなぁ。・・・
咲いてくれるまで花の色は、わからないけれど、
不思議なことに、いつも色とりどりに咲いてくれるのよ。」と
笑顔でおっしゃっていました♡

「物陰や 百日草の 今も咲く」

明治時代を代表する俳人・歌人「正岡 子規(まさおか しき)」が詠んだ句です。

百日草は、初夏から晩秋までの長い期間(100日)花を楽しむことができることから、
その名が付いたと言われています。
「ジニア」という名前でも親しまれていますね。
江戸時代には花期が長いことから、
「浦島草(うらしまそう)」、「長久草(ちょうきゅうそう)」とも呼ばれていたそうです。

*   *   *   *   *   *   *   *   *   *
この度の台風10号の被害にあわれた皆様に、心からお見舞い申し上げます。
被災された皆様の安全と一日も早い復旧を祈念しております。
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いつの世も 禱は節や 百日紅

2020年08月11日 | 夏の花


8月に入り、遅い梅雨明けの後は、猛暑日が続いています。
こまめな水分補給を心がけながら、体調管理に気をつけてお過ごしくださいね。

もうすぐお盆休みを迎えますが、新型コロナウイルスの影響により、
帰省を控えて静かに過ごされる方も、多くいらっしゃることと思います。
お参りに行けなくても、故人を想い、お祈りすることが供養につながると言われています。

仏様にとって、お線香の煙、炊き立てご飯の湯気やお茶やコーヒーの湯気等が、
とっておきのご馳走になるそうです♡

「いつの世も 禱は節や 百日紅」

昭和時代を代表する女流俳人「中村 汀女(なかむら ていじょ)」が詠んだ句です。

◎禱→いのり
◎百日紅→さるすべり

父が入院している病院近くの海辺の公園には、百日紅(さるすべり)が見頃を迎えていました。
百日紅は、お見舞いや故人を想う句に多く登場しています。
真夏に咲く鮮やかなピンク色の花は、秋頃まで咲き続けます。

高齢の父も入院する度に状態が良くなることはなくて・・・
複数の疾患もあり、何か一つでも悪化してしまうと重篤な状態になってしまうと先生から説明を受けています。
新型コロナウイルスの影響で、病院も面会禁止が継続しており、
父と会うこともできない状況ですが、実家のお仏壇に朝夕お線香を上げてお祈りしております。

そして長期間にわたり、大変な状況の中、多くの方々のお世話をしてくださっている医療従事者の皆様、
施設職員の皆様に心から感謝申し上げます。
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凌霄や 一つる垂れし 花かつら

2020年07月19日 | 夏の花


昨日まで降り続いておりました雨もあがり、夏の日射しが戻ってきました。
どうぞ体調にお気をつけてお過ごしくださいね。

ご近所のお庭に、鮮やかな「凌霄花(のうぜんかずら)」が咲いており・・・
撮影させていただきました。
50年程前にいただいた小さな苗木がスクスクと育ち・・・
アーチ型の支柱を手づくりされたそうです。
その後も苗木はスクスクと育ち、やがて大きな木になり・・・
アーチに沿って綺麗な花を咲かせてくれるようになったそうです。

凌霄花は、落葉低木ですので、冬には姿が見えなくなってしまいますが、
夏になりますと、毎年鮮やかなオレンジ色の花を咲かせてくれて・・・と
笑顔でお話くださり、とても大切に育てていらっしゃる様子が伝わってきました。

「凌霄や 一つる垂れし 花かつら」

明治時代を代表する俳人・歌人「正岡 子規(まさおか しき)」が詠んだ句です。

◎凌霄(のうぜん)→凌霄花(のうぜんかずら)・夏の季語
◎花かつら→花鬘・花縵→花でつくった髪飾り

夏の夕風にゆらゆらと揺れる、凌霄の花・・・
奈良時代の頃より、季節の花を糸で抜いたり、花の枝を輪にしたりして、
髪飾り(花かつら)を作っていたそうです。
日本最古の和歌集「万葉集」にも、花縵(花かつら)が登場しています。
京都の舞妓さんの「花かんざし」に、その名残が受継がれているようにも感じます。
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そよ風に 座る者待つ 蓮の花

2020年07月05日 | 夏の花


梅雨の晴れ間に、近くの公園へ蓮の花を見に行きました。
大きな葉っぱの間から、白やピンクの美しい花々を見ることができて・・・
ほんとうに癒されました。

子供の頃に、蓮の花の中には仏様が座っていると聞いたことがありまして・・・
何故だかこの時季になりますと、蓮の花のことが気になります。

「そよ風に 座る者待つ 蓮の花」

昭和時代(戦後)から長年にわたり活躍されていた俳人・写真家の「伊丹 三樹彦(いたみ みきひこ)」が詠んだ句です。

この世では永遠に生き続けることはできなくて、
いつかは旅立ちの日を迎えます。
そよ風に揺れている美しい蓮の花々を見ておりますと、
一つ一つの花の中に、可愛らしい小さな仏様が、ちょこんと座っているかのように感じられて・・・
心がとても落ち着きました♡

*   *   *   *   *   *   *   *   *   *
この度の九州南部を中心とした記録的な豪雨の被害にあわれた皆様に、
心からお見舞い申し上げます。
被災された皆様の安全と一日も早い復旧を祈念しております。
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紫陽花や 一思案して 咲にけり

2020年06月14日 | 夏の花


梅雨の時季を迎え、蒸し暑い日が続いておりますが、
雨に濡れる紫陽花(あじさい)の美しさに、心癒されています。

先日、京都のお寺で撮影された綺麗な紫陽花の画像が届きました。
このお寺は、819年(平安時代)に建立された大変歴史あるお寺として知られており、
画像の石碑には、「弘法大師(こうぼうだいし)」の文字が記されています。
また、1568年(室町時代)に、織田信長が一泊されたとの記録も残っています。

「紫陽花や 一思案して 咲にけり」

江戸時代に活躍された俳人「沢 露川(さわ ろせん)」が詠んだ句です。

露川は、「松尾 芭蕉(まつお ばしょう)」のお弟子さんとして知られています。
紫陽花は花に重みがありますので、
雨の日はシャンとして元気になり・・・
暑さの厳しい日には俯いたようになりますね。
花の色も、土の性質によって変化します。

紫陽花は、奈良時代につくられた最古の和歌集、「万葉集」にも登場しています。
時代とともに花の色も変化してゆきながら、今もずっと私たちを楽しませてくれていますね♡
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