日本の花・花を詠んだ句

日本に咲いている四季の花・花を詠んだ句を紹介します♪

一歩ゆき 一歩もどりて 丁字の香

2019年03月02日 | 春の花


三月になりました。
まだ小さい沈丁花(じんちょうげ)の苗木に、手鞠のような可愛らしい花が咲きました♡

沈丁花は、春を告げる花として古くから親しまれています。
花の香りが「沈香(じんこう)」という香りに似ており、
葉っぱの形が「丁字(ちょうじ)」に似ていることから、
その名が付いたと言われています。

「一歩ゆき 一歩もどりて 丁字の香」

昭和時代に活躍された俳人「星野 立子(ほしの たつこ)」が詠んだ句です。
「高浜 虚子(たかはま きょし)」の娘さんとしても知られています。

◎丁字(ちょうじ)→ 春の季語・沈丁花

沈丁花が咲く時季は、お天気の不安定な日が多く、寒暖差も大きいですね。
暖かくなったり、寒くなったり・・・を繰り返しながら、
季節は少しずつ春へと近づいてゆきますね。
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山路来て 何やらゆかし 菫草

2018年04月25日 | 春の花


近くの「桜山(さくらやま)」と呼ばれている公園の斜面に、
可愛らしい薄紫色の菫(すみれ)が咲いていました。

「山路来て なにやらゆかし 菫草」

江戸時代を代表する俳人「松尾 芭蕉(まつお ばしょう)」が詠んで句です。

◎山路(やまじ)→山の中の道
◎何やら→何だか
◎ゆかし→心が引かれる 慕わしい、懐かしい
◎菫草→すみれぐさ

この句は、1684年8月〜1685年4月に芭蕉がお母様のお墓参りを兼ねて、
お弟子さんと一緒に、江戸(東京都)から出身地の伊賀上野(三重県)への旅を記された
「野ざらし紀行」という紀行文で詠まれた句です。

春を告げる可愛らしい「菫の花」は、
今も私たちを、ふと懐かしい気持ちにさせてくれますね♡
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ほくほくと 馬がおり来る 山桜

2018年04月14日 | 春の花


桜の開花が例年よりも早く、関東地方の桜の見頃は通り過ぎてしまいましたが、
東北地方では今が見頃を迎えているようです♡

先月下旬に、近くの「桜山(さくらやま)」と呼ばれている公園へ散策に行ってきました。
古くからある公園で、1000本の桜が見頃を迎えており、
たくさんの方が、お花見をされていらっしゃいました。

山を少しくだったところに、静かに山桜(やまざくら)が咲いていました。

「ほくほくと 馬がおり来る 山桜」

大正時代から昭和時代に活躍された俳人「臼田 亞浪(うすだ あろう)」が詠んだ句です。

昭和5年(1930年)頃までは、たくさんの馬車が活用されていたそうです。
桜の山道を馬車に揺られながら、生活されていた風景が目に浮かんできますね。
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菜の花が しあはせさうに 黄色して

2018年03月26日 | 春の花


先週は、関東地方では季節はずれの雪が降っておりましたが、
暖かい日が続き、桜の花が満開を迎えています。
寒暖の差が大きいので、どうぞ体調にお気をつけてお過ごしくださいね。

それでは、菜の花(なのはな)を詠んだ句を紹介させていただきます♪
黄色が鮮やかな菜の花は、春の季語として多くの俳人たちの句に登場しています。

「菜の花が しあわせさうに 黄色して」

大正時代から昭和時代に活躍された女流俳人「細見 綾子(ほそみ あやこ)」が詠んだ句です。

◎しあわせさうに→しあわせそうに

淡い黄色の菜の花が、まるで春風にゆられて幸せそうに歌っているように感じられますね♡
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我が国は 草も桜が 咲きにけり

2018年03月21日 | 春の花


今日は春分の日ですね。
関東地方では、桜の開花が発表されたばかりでしたが、
今朝から雪が降っています。
見頃を迎えるまで、もう少し足踏みとなりそうですね。

桜といえば・・・
先週、近所の公園を訪れた際に、
可愛らしい桜草と菜の花を見つけました♡
春の陽ざしのもと、井戸の横に仲良く並べられており、
思わず微笑んでしまいました。

「我が国は 草も桜が 咲きにけり」

江戸時代を代表する俳人「小林 一茶(こばやし いっさ)」が詠んだ句です。

桜草は、桜の花に色も形も似ていることから、
その名が付いたと言われています。

古くから日本人に大変愛されてきた花で、
江戸時代の初代将軍「徳川家康」が鷹狩りへ訪れた際に、
桜草の美しさに惚れ込んで、江戸城へ持ち帰ったという説もあるそうです。

次回は、菜の花を詠んだ句をご紹介いたします♡


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