日本の花・花を詠んだ句

日本に咲いている四季の花・花を詠んだ句を紹介します♪

水仙の こち向く花の 香をもらふ

2021年02月10日 | 冬の花


余寒お見舞い申し上げます。
朝晩は、まだ厳しい寒さが続いておりますが、
日中は、やわらかな春の陽ざしを感じられるようになってきました。

我が家の小庭では、クリスマスローズ、スノードロップ が咲きはじめました。
画像は、三年目を迎えた日本水仙(にほんすいせん)です。
春風にゆらゆらと揺れて、やさしい香りを届けてくれています♡

「水仙の こち向く花の 香をもらふ」

昭和時代を代表する女流俳人「中村 汀女(なかむら ていじょ)」が詠んだ句です。

水仙は、平安時代末期ごろに中国から渡来し、
美しく清楚な花の姿と花の香りが、まるで仙人(せんにん)のようであることから、
その名が付いたと言われています。

室町時代の書物には、「水仙花」・「雪中花」という名前で記されており、
安土桃山時代には、華道において「松(まつ)」・「蓮(はす)」・「杜若(かきつばた)」・「菊(きく)」とともに、
格調の高い花として珍重されていたそうです。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

実千両 日向に出ては 手をひろげ

2021年01月08日 | 冬の花


寒中お見舞い申し上げます。
しばらくぶりの投稿なりますね。
一年が経つのは本当に早いですね。

一昨年末から入退院を繰り返しておりました父が、
12月13日に、家族に見守られながら安らかに旅立ちました。
新型コロナウイルスの影響により、4月からは病院も施設も面会禁止の日々が続いている中で、
入院中には「家に帰りたい」と言っていたこともありました。

11月に入り、先生から「年を越せないかも・・・」との説明を受けました。
約一年間、ずっと家に帰ることができなかった父・・・
「最後は自宅からお見送りしてあげたい」との想いから、
築40年の実家の仏間(和室二間)のDIYリフォームがはじまりました。

DIYリフォームを終えてから三日後、約一年ぶりに父が自宅へ帰ってきました。
葬儀屋さんと一緒に、みんなで納棺をしました。
納棺を終えた後、父の顔がにっこりと笑ったように感じられました。
大好物だったお酒やお寿司を用意して・・・
昔のアルバムを見たり、懐かしい音楽を聴きながら・・・
手づくりの心温まるお見送りをすることができました♡

三重県での手続きを終えて、しばらくぶりに横浜市へ戻ってまいりました。
小庭には、一昨年前には小さな苗だった千両(せんりょう)が大きく成長し、
たくさんの真赤な実が、キラキラと輝いていました。

「実千両 日向に出ては 手をひろげ」

昭和時代に活躍された俳人「星野 麥丘人 (ほしの ばくきゅうじん)」が詠んだ句です。

二年ぶりに自宅で新年を迎えました。
三重県の親戚の方から、つきたてのお餅を送っていただいたり・・・
お雑煮や、きな粉餅、海苔餅、大根餅・・・
美味しいお餅と可愛らしい実千両に元気パワーをいただいています♡

*     *     *     *     *     *     *     *
コロナ禍で大変な状況の中、
看護師さん、介護士さん、先生方、ワーカーさんをはじめ、多くの医療従者の皆様に、
ほんとうにお世話になり、心より感謝申し上げます。
そして、あたたかく見守ってくださっていた皆様に、心からお礼申し上げます。
今年もどうぞ宜しくお願い申し上げます♡
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

小鳥来る ほどに晴れたり 水仙花

2019年01月31日 | 冬の花


しばらくぶりの投稿ですね。
一年が経つのは本当に早いですね。

年末年始に父が体調を崩してしまいまして・・・
大掃除もそこそこに、三重県の実家へ帰省しておりました。
年末年始は冬晴れの日が多く、
実家の庭には、母が大切に育てておりました白い水仙(すいせん)が見頃を迎えていました。

「小鳥来る ほどに晴れたり 水仙花」

昭和時代に活躍された俳人「村山 古郷 (むらやま こきょう)」が詠んだ句です。

小鳥のさえずりとともに新年を迎え、
お正月はお天気も良くて・・・
凛と咲く真っ白な水仙の花と優しい香りに、元気パワーをいただきました。

年末に急遽、主治医の先生が貴重なお昼休みに自宅まで往診に来てくださったり・・・
ケアマネージャーさん、ヘルパーさん、訪問看護さんの迅速なご対応により
おかげさまで父の容態も大事には至らずに徐々に回復し・・・
地域の皆様に見守っていただきながら
自宅で愛犬と一緒に元気に暮らしております。

一人暮しになり認知症初期症状も出はじめ、色々と心配ではございますが、
「気兼ねなく、愛犬とのんびり暮らしたい。」との父の願いを尊重し、
もう暫くさりげなくサポートしながら、温かく見守ってゆきたいと思っております。

2009年から母の遠距離介護が始まり、遠距離介護も10年目を迎えます。
母が生前に使用していたお風呂やトイレ、廊下や玄関などの「手すり」があるおかげで、
父も住み慣れた家で、安心して過ごせているように感じています。
この度は本当に多くの皆様にお世話になりまして、心より感謝申し上げます。

そしていつも私の拙いブログをお読みくださり、
温かく見守ってくださっている皆様に、心から深く感謝申し上げます。
今年もどうぞ宜しくお願い申し上げます♡
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

金の辨 こぞりて開く 福壽草

2018年02月18日 | 冬の花


2月も中旬を過ぎ、日毎に暖かな陽ざしを感じられるようになってきました。
画像は、母が大切に育てておりました「福寿草(ふくじゅそう)」です。
その名の通り、古くから「福を招いてくれる花」として親しまれています。

今月は、平昌(ピョンチャン)オリンピックが開催されて、毎日盛り上がっていますね。
昨日は、フィギュアスケートで日本の「羽生 結弦(はにゅう ゆづる)」選手が、今大会初の金メダルを獲得しました。
ソチ オリンピックに引き続き、大会2連覇を達成しました。
羽生選手の渾身(こんしん)の演技は、世界中の人々に感動と勇気を届けてくれましたね♡

「金の辨 こぞりて開く 福壽草」

昭和時代に活躍された俳人「阿部 みどり女(あべ みどりじょ)」が詠んだ句です。

◎福壽草→ふくじゅそう
◎辨(べん)→弁の旧字体です。意味は花びら、花弁
◎こぞりて→のこらず、みんな

4年に一度開催されるオリンピック、パラリンピック。
出場されている選手の方々の「渾身の花」が開く素敵な時間ですね♡
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

葉牡丹や わが想ふ顔 みな笑まふ

2018年01月29日 | 冬の花


最強の寒波が到来し、厳しい寒さが続いています。
体調を崩されませんよう、お気をつけてお過ごしくださいね。

駅の花壇には、色とりどりの「葉牡丹(はぼたん)」が綺麗に植えられていました。
葉牡丹は、重なりあった葉姿が牡丹(ぼたん)の花のように美しいことから、
牡丹の花に見立てて、その名が付いたと言われています。

江戸時代の書物には、「牡丹菜(ぼたんな)」という名で葉牡丹が紹介されているそうです。

「葉牡丹や わが想う顔 みな笑まふ」

昭和時代に活躍された俳人「石田 波郷 (いしだ はきょう)」が詠んだ句です。

◎笑まふ→読みは「ゑまう」
     にこにこする・ほほえむ

戦前・戦中・戦後・・・
石田波郷ご自身も召集を受けられていたそうです。
奥さまやお子さんたちの笑顔を想い浮かべて詠まれた句のように感じます。

私たちも、笑顔を忘れずに・・・
過ごしてゆきたいですね♡
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

日当たれば みんなしあはせ 実南天

2018年01月10日 | 冬の花


新年あけまして、おめでとうございます。
今年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

昨年末は、三重県の実家の大掃除などなど・・・
色々大変なことはございましたが、無事に新年を迎えることができました。

実家の大掃除を終えて、ふと玄関先を見ましたら、
母が育てていた南天の実が、夕日に照らされてとても綺麗でした。
「ありがとう」と母が言ってくれているようで・・・
思わず笑顔になりました♡

「日当たれば みんなしあはせ 実南天」

昭和時代に活躍された俳人「星野 麥丘人(ほしの ばくきゅうじん)」が詠んだ句です。

◎実南天→この句の読みは「みなんてん」です。

南天の木は、古くから縁起の良い木として知られています。
「難転(なんてん)=難を転じて福をなす」という意味に通じることから、
魔除けや厄除けとしても活用されてきました。

2018年が皆様とって、幸せで笑顔あふれる一年になります様に・・♡
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

山茶花を 旅人に見する 伏見かな

2017年12月11日 | 冬の花


師走を迎え、寒い日が続いていますね。
お風邪など召されませんよう、体調にお気をつけてお過ごしくださいね♡

夕方、近所の公園を通りかかりましたら山茶花(さざんか)が満開でした。
日が暮れかけていたのですが、とても綺麗で癒されました。

日本原産の山茶花は、昔から人々を楽しませてくれていたようです。

「山茶花を 旅人に見する 伏見かな」

江戸時代を代表する俳人・浮世草子作家「井原 西鶴 (いはら さいかく)」が詠んだ句です。

◎伏見(ふしみ)→京都・伏見

冬の季語として親しまれている山茶花は、晩秋から初冬にかけて咲きはじめます。
花期が長く、お正月を過ぎても楽しませてくれます。

花の少ない季節、遠方から京都へ来られた人々を、
山茶花が「おもてなし」してくれていたようですね♡
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

石蕗の花 十三弁は まことかや

2017年11月28日 | 冬の花


画像は、10月下旬に三重県の実家に咲いていた石蕗(つわぶき)の花です。
母が生前に色々な花木を育てていました。

実家には、父と弟が居りますが、二人とも花木にはあまり興味がなくて・・・
母が大切に育てておりました花木も、
雑草と間違えて草刈り機で刈ってしまったり・・・
そのような過酷な状況にも耐えながら、
毎年綺麗な黄色の花を咲かせてくれています♡

「石蕗の花 十三弁は まことかや」

大正時代から昭和時代に活躍された俳人「山口 青邨 (やまぐち せいそん)」が詠んだ句です。

◎石蕗の花→この句の読みは「つわのはな」です。
◎十三弁→13枚の花びら

石蕗の花は10月中旬頃〜11月下旬頃に咲きます。
俳句では「冬の季語」として知られています。

石蕗は、葉っぱが「蕗(ふき)」に似ていて、つやがあることから「つやぶき」と呼ばれていたそうです。
その後「つやぶき」が変化して「つわぶき」になりました。
ちなみに、佃煮の「きゃらぶき」は、石蕗の葉で作られているそうです。

実家に咲いておりました石蕗の花びらを数えてみましたら、
確かに13枚ありました。(^-^)
石蕗の花を見かけましたら、ぜひ数えてみてくださいね♡
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする