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詩と物語を紡ぎます

Colored Leaves(another version)

2017-11-26 02:55:00 | poem
     Colored Leaves
     (another version)




わたしの中の
季節と時刻が同期して
置き去りに忘れたはずの
訪いを改めて確かめる
血液の色に
開いた瞳の煌きを
分かち合いたかったのは
時計が指差している君だけだ



さらさらと金色の光が降り
さわさわと黄色の葉が降り
戯けた手風琴の調べすらも
哀愁を帯びている晩秋の
黄金色に煌やき照らされた
並木道でつい唇を許したのは
初めて逢った時とよく似た
beaujolaisnouveauの薫りを感じた
……からかも知れないと微笑うと
金色はマーマレイド色に雲を染めて
逆光に表情の隠れた君はわたしを
欲しいと告げて汗ばんだ指を絡めた



文具店の奥
何年かぶりに求めた
真新しい無地のnotebook
そのひと際真白な

第一頁目

にこそ
わたしは徴を刻まなければならないから
パレットに水彩絵の具の青赤黄を溶き
輪郭線も書かずにただ色彩だけを
たっぷり筆に含ませたら一気に走らせて
色を重ねて色を滲ませて色を深めて
幾ひらかのぼやけた黄葉を描き
幾ひらかの滲んだ紅葉を描いて



黄葉の下に余白をとって
君の名を草書で書き記してから



紅葉の下に余白をとって
君の名と綺麗に並ぶ位置に

わたしの名を草書で 刻み 記した



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written,elaborated :2017/11/08〜26

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当ブログの別館、Yahooブログ『ことの葉天氣堂』にて、詩『Colored leaves』オリジナルヴァージョンを公開しております。併せてお読みいただけると幸いです。

Yahooブログ『ことの葉天氣堂』
https://blogs.yahoo.co.jp/tsu81ka7026sa91fjt

詩『Colored leaves』
https://blogs.yahoo.co.jp/tsu81ka7026sa91fjt/15500182.html

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