http://news.goo.ne.jp/article/facta/nation/20110105-01-00-facta.html
このまま老害を放置し続ければ、日本から優秀な人間はいなくなる。
現状維持の屑勢力を徹底的に壊滅させない限り、
若者は食い物にされるだけ
ゆえに
大阪から始まった維新を、医療現場でも断行しなければ未来は暗い
「がんワクチン」予算で京大対東大の暗闘
2011年1月5日(水)12:00
「治療法がない目の前の患者さんに新しいものを提供することで希望を与えられる。その思いで手弁当で臨床研究を続けてきた。その気持ちを踏みにじる記事でした」
10月15日付朝日新聞が報じた「がんペプチドワクチン」の臨床試験をめぐる記事で名誉を傷つけられたとして、東京大学医科学研究所の中村祐輔教授と、利益相反を指摘された医科研発のベンチャー企業「オンコセラピー・サイエンス」(角田卓也社長、東証マザーズ上場)は12月8日、朝日新聞社と記事を書いた論説委員、編集委員を相手取って、合計2億円の損害賠償と謝罪広告の掲載を求める訴えを東京地裁に起こした。
本誌は前号記事(「朝日新聞『がんワクチン』で炎上」)で、被験者の消化管出血事例を医科研が隠蔽したとする朝日記事に、日本医学会や患者から非難の声があがっていることを報じた。中村教授は勝訴した場合、賠償1億円はすべて育英会に寄付するという。会見で強調したのは、末期がんを患いながら何とか希望を見出そうとしている患者や家族、それを助けたいとする医師らの願いを、朝日の記事が踏みにじったことだ。
現に41の患者団体は、朝日の記事で研究開発が遅れることを危惧する声明を発表したが、その危惧が現実のものとなった。
記事掲載から6日後の10月21日、内閣府所管の総合科学技術会議(議長・菅直人首相)は11年度予算の概算要求で科学・技術関係施策の優先度判定を審議した結果、重点配分する研究開発項目を発表した。
新規募集は65件。積極的に実施すべきとする「S」判定から、実施すべきではないの「C」判定まで4段階の優先度評価を受けた。厚生労働省のイチ押しは「がん治療ワクチン開発」(要求額は約29億円)だったが、結果は無情にも新規募集の中で唯一の「C」判定が下されたのだ。
衝撃は大きかった。がん治療ワクチン開発に携わる研究者、臨床医はもちろん、開発を心待ちにしている患者や家族たちも落胆した。慌てた厚労省医政局は水面下で判定見直しを働きかけたが覆せなかった。
がん治療ワクチン開発は世界的な潮流で、市場規模5兆円とも言われ、世界の医薬品メーカーがシノギを削っている。それに逆行する判定に医薬品メーカーなどから失笑が漏れた。しかも「判定する側の人選に問題があるのではないか」という声まで聞こえてきた。
「京大の本庶先生は東大の中村先生を疎ましく思っているようで、選考したタスクフォース(作業班)は本庶先生の息のかかった方ばかりですから……」(大手製薬メーカー幹部)
ライフ・イノベーションのタスクフォース主査は、京都大学医学部卒で京大医学部閥の実力者、本庶佑(ほんじよたすく)教授だった。京大医学部長退任後は05年から京大大学院医学研究科寄附講座(特定の医薬品メーカーの寄付講座)で客員教授を務めている。
タスクフォースは9人。稲垣暢也・京大大学院医学研究科教授は本庶教授の弟子筋と思える。また特定の製薬メーカー(中外製薬)から2人入っているのも不可解である。中外製薬専務の山崎達美氏はともかく、もう一人の池田康夫氏は早稲田大学理工学術院教授の肩書きで登録され、中外製薬役員とは記されていない。
担当の加藤誠実内閣府参事官は「好ましいこととは言えないが、問題があるとは思っていない」と微妙な答え方をした。だが、ライフ・イノベーションの優先度判定で最重要施策となったのは、京大大学院医学研究科などが推進する「ゲノムコホー ト」(10万人単位の遺伝子解析調査)で、お手盛りとも見える。中村教授に“濡れ衣 ”を着せた朝日の記事がこれと軌を一にしているのは、単なる偶然なのだろうか。
(月刊『FACTA』2011年1月号、12月20日発行)
新薬開発「日本は無力」…国の推進役、米大学へ
読売新聞 12月12日(月)14時32分配信
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内閣官房医療イノベーション推進室長を辞任する中村祐輔・東大医科研教授
日本発の画期的な医薬品作りを目指す内閣官房医療イノベーション推進室長の中村祐輔・東京大学医科学研究所教授(59)が、室長を辞任して来年4月から米シカゴ大学に移籍することが12日わかった。
中村教授は今後、米国を拠点に、がん新薬などの実用化を目指すという。国の旗振り役が国内での研究開発に見切りをつけた格好で、波紋を呼びそうだ。
同推進室は今年1月、仙谷由人官房長官(当時)の肝いりで、ノーベル化学賞受賞者の田中耕一さん(52)らを室長代行に迎えて発足。省庁の壁を取り払い、国家戦略として医療産業の国際競争力を強化するための司令塔となることを目指した。
ところが、発足直後に仙谷長官は退任し、10月の第3回医療イノベーション会議には、それまで出席していた経済産業省や内閣府の政務三役も欠席。今年度の補正予算や来年度の予算案策定でも、各省庁が個別に予算要求を出すだけで、「日本全体の青写真を描けなかった」(中村教授)という。
中村教授は、ゲノム(全遺伝情報)研究の第一人者で、国際ヒトゲノム計画でも中心的な役割を果たした。中村教授は「国の制度や仕組みを変えようと頑張ったが、各省庁の調整機能さえ果たせず、無力を感じた。日本で研究した新薬を日本の人たちに最初に届けるのが夢だったのだが。せめて米国で新薬を実現したい」と話している。
このまま老害を放置し続ければ、日本から優秀な人間はいなくなる。
現状維持の屑勢力を徹底的に壊滅させない限り、
若者は食い物にされるだけ
ゆえに
大阪から始まった維新を、医療現場でも断行しなければ未来は暗い
「がんワクチン」予算で京大対東大の暗闘
2011年1月5日(水)12:00
「治療法がない目の前の患者さんに新しいものを提供することで希望を与えられる。その思いで手弁当で臨床研究を続けてきた。その気持ちを踏みにじる記事でした」
10月15日付朝日新聞が報じた「がんペプチドワクチン」の臨床試験をめぐる記事で名誉を傷つけられたとして、東京大学医科学研究所の中村祐輔教授と、利益相反を指摘された医科研発のベンチャー企業「オンコセラピー・サイエンス」(角田卓也社長、東証マザーズ上場)は12月8日、朝日新聞社と記事を書いた論説委員、編集委員を相手取って、合計2億円の損害賠償と謝罪広告の掲載を求める訴えを東京地裁に起こした。
本誌は前号記事(「朝日新聞『がんワクチン』で炎上」)で、被験者の消化管出血事例を医科研が隠蔽したとする朝日記事に、日本医学会や患者から非難の声があがっていることを報じた。中村教授は勝訴した場合、賠償1億円はすべて育英会に寄付するという。会見で強調したのは、末期がんを患いながら何とか希望を見出そうとしている患者や家族、それを助けたいとする医師らの願いを、朝日の記事が踏みにじったことだ。
現に41の患者団体は、朝日の記事で研究開発が遅れることを危惧する声明を発表したが、その危惧が現実のものとなった。
記事掲載から6日後の10月21日、内閣府所管の総合科学技術会議(議長・菅直人首相)は11年度予算の概算要求で科学・技術関係施策の優先度判定を審議した結果、重点配分する研究開発項目を発表した。
新規募集は65件。積極的に実施すべきとする「S」判定から、実施すべきではないの「C」判定まで4段階の優先度評価を受けた。厚生労働省のイチ押しは「がん治療ワクチン開発」(要求額は約29億円)だったが、結果は無情にも新規募集の中で唯一の「C」判定が下されたのだ。
衝撃は大きかった。がん治療ワクチン開発に携わる研究者、臨床医はもちろん、開発を心待ちにしている患者や家族たちも落胆した。慌てた厚労省医政局は水面下で判定見直しを働きかけたが覆せなかった。
がん治療ワクチン開発は世界的な潮流で、市場規模5兆円とも言われ、世界の医薬品メーカーがシノギを削っている。それに逆行する判定に医薬品メーカーなどから失笑が漏れた。しかも「判定する側の人選に問題があるのではないか」という声まで聞こえてきた。
「京大の本庶先生は東大の中村先生を疎ましく思っているようで、選考したタスクフォース(作業班)は本庶先生の息のかかった方ばかりですから……」(大手製薬メーカー幹部)
ライフ・イノベーションのタスクフォース主査は、京都大学医学部卒で京大医学部閥の実力者、本庶佑(ほんじよたすく)教授だった。京大医学部長退任後は05年から京大大学院医学研究科寄附講座(特定の医薬品メーカーの寄付講座)で客員教授を務めている。
タスクフォースは9人。稲垣暢也・京大大学院医学研究科教授は本庶教授の弟子筋と思える。また特定の製薬メーカー(中外製薬)から2人入っているのも不可解である。中外製薬専務の山崎達美氏はともかく、もう一人の池田康夫氏は早稲田大学理工学術院教授の肩書きで登録され、中外製薬役員とは記されていない。
担当の加藤誠実内閣府参事官は「好ましいこととは言えないが、問題があるとは思っていない」と微妙な答え方をした。だが、ライフ・イノベーションの優先度判定で最重要施策となったのは、京大大学院医学研究科などが推進する「ゲノムコホー ト」(10万人単位の遺伝子解析調査)で、お手盛りとも見える。中村教授に“濡れ衣 ”を着せた朝日の記事がこれと軌を一にしているのは、単なる偶然なのだろうか。
(月刊『FACTA』2011年1月号、12月20日発行)
新薬開発「日本は無力」…国の推進役、米大学へ
読売新聞 12月12日(月)14時32分配信
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内閣官房医療イノベーション推進室長を辞任する中村祐輔・東大医科研教授
日本発の画期的な医薬品作りを目指す内閣官房医療イノベーション推進室長の中村祐輔・東京大学医科学研究所教授(59)が、室長を辞任して来年4月から米シカゴ大学に移籍することが12日わかった。
中村教授は今後、米国を拠点に、がん新薬などの実用化を目指すという。国の旗振り役が国内での研究開発に見切りをつけた格好で、波紋を呼びそうだ。
同推進室は今年1月、仙谷由人官房長官(当時)の肝いりで、ノーベル化学賞受賞者の田中耕一さん(52)らを室長代行に迎えて発足。省庁の壁を取り払い、国家戦略として医療産業の国際競争力を強化するための司令塔となることを目指した。
ところが、発足直後に仙谷長官は退任し、10月の第3回医療イノベーション会議には、それまで出席していた経済産業省や内閣府の政務三役も欠席。今年度の補正予算や来年度の予算案策定でも、各省庁が個別に予算要求を出すだけで、「日本全体の青写真を描けなかった」(中村教授)という。
中村教授は、ゲノム(全遺伝情報)研究の第一人者で、国際ヒトゲノム計画でも中心的な役割を果たした。中村教授は「国の制度や仕組みを変えようと頑張ったが、各省庁の調整機能さえ果たせず、無力を感じた。日本で研究した新薬を日本の人たちに最初に届けるのが夢だったのだが。せめて米国で新薬を実現したい」と話している。