http://sankei.jp.msn.com/life/news/120115/trd12011522260014-n1.htm
国家戦略欠如「無力さ」痛感 医療イノベーション推進室長辞任の中村祐輔教授
2012.1.15 22:23 (1/2ページ)
東京大学医科学研究所の中村祐輔教授 =昨年12月28日午前、東京都港区(瀧誠四郎撮影)
国際競争力の高い医療産業の育成を目指し、昨年1月に政府主導で内閣官房に設置された医療イノベーション推進室の室長を務めていた、中村祐輔・東京大学医科学研究所教授(59)が昨年末で辞任した。数十年先を見据えた制度設計を目指そうとしたが、不安定な政権と省庁間の壁に阻まれ「無力さ」を感じた末の決断という。中村教授は抗がん剤開発などを目指し研究拠点を米国に移す。
ヒトゲノム(全遺伝子情報)研究の第一人者である中村教授が室長を引き受けた背景には、日本の脆(ぜい)弱(じゃく)な医療開発基盤への強い危機感があった。
中村教授は、新たながん治療法として世界中の注目を集めるがんペプチドワクチンの開発を日本で進めている。だが、政府は新薬開発に無関心で施策も基礎研究の担当が文部科学省、安全性は厚生労働省など所管がバラバラだ。
中村教授は「推進室の設置は、この危機を打開し国家レベルの戦略を練る好機だと思った」と就任の経緯を話す。
推進室では、各省庁をまたいでスタッフを構成。創薬支援機構創設などを政府に訴えた。
国家戦略欠如「無力さ」痛感 医療イノベーション推進室長辞任の中村祐輔教授
2012.1.15 22:23 (1/2ページ)
東京大学医科学研究所の中村祐輔教授 =昨年12月28日午前、東京都港区(瀧誠四郎撮影)
国際競争力の高い医療産業の育成を目指し、昨年1月に政府主導で内閣官房に設置された医療イノベーション推進室の室長を務めていた、中村祐輔・東京大学医科学研究所教授(59)が昨年末で辞任した。数十年先を見据えた制度設計を目指そうとしたが、不安定な政権と省庁間の壁に阻まれ「無力さ」を感じた末の決断という。中村教授は抗がん剤開発などを目指し研究拠点を米国に移す。
ヒトゲノム(全遺伝子情報)研究の第一人者である中村教授が室長を引き受けた背景には、日本の脆(ぜい)弱(じゃく)な医療開発基盤への強い危機感があった。
中村教授は、新たながん治療法として世界中の注目を集めるがんペプチドワクチンの開発を日本で進めている。だが、政府は新薬開発に無関心で施策も基礎研究の担当が文部科学省、安全性は厚生労働省など所管がバラバラだ。
中村教授は「推進室の設置は、この危機を打開し国家レベルの戦略を練る好機だと思った」と就任の経緯を話す。
推進室では、各省庁をまたいでスタッフを構成。創薬支援機構創設などを政府に訴えた。