2007 No.15 11/3~12/14
作者:アガサ・クリスティー(早川書房クリスティー文庫)
総合評価・・・★★★★★ 5.0
ハヤカワ文庫の旧シリーズを含めて、読むのは今回で4回目くらい。短編集です。
作品によって完成度にばらつきはありますが、おもしろい作品がたくさんあり、何度読んでも楽しめます。
怪奇的な作品がほとんどで、普通のミステリ作品は映画や舞台でも知られる『検察側の証人』くらいかな。
表題作は、何度読んでもあまり面白く感じないのですが(^_^;)、クリスティーがどこからヒントを得てこの作品を書いたのかが気になる。ネタをふくらませれば、ファンタジーができそうな作品です。
『赤信号』はサイコ的な作品で、あっと驚く展開でおもしろい。
怪奇的な作品の中では『ランプ』と『最後の降霊会』がお気に入り。
『ランプ』は切ない物悲しいお話。
『最後の降霊会』は背筋が思わず寒くなる作品。特に終わりから5行目の一文が・・・
異色作のオンパレードですが、クリスティーの意外な一面を垣間見るようで、ちょっとお得な気分になれる1冊です。