2008 No.7 5/7~5/16
作者:イアン・マキューアン(新潮文庫)
評価・・・★★★★☆ 4.5
キーラ・ナイトレイ主演の映画『つぐない』の原作です。
一人の少女がある“罪”を犯すことによって、無邪気な少女時代に永遠に別れを告げるとともに、大切な姉の愛を失うことになってしまう・・・前半は、その事件の前後の数日間を少女・ブライオニーと、その姉・セシーリア、セシーリアの幼なじみ・ロビーの3人の視点から描いており、後半は“大人”になったブライオニーが罪の重さを自覚し、何とかしてつぐなおうとする姿を描いています。
ラストは意外な結末でやられました。
ブライオニーは小説家志望なので、ジェイン・オースティンやヴァージニア・ウルフなどいろいろな小説家の名前が作品に登場します。私はそれらの作者の作品のほとんどを読んだことがなかったけど、読んでいたらまた違う楽しみ方もできたのかなぁ。
文庫のオビには「世界文学の新たなる古典!」「季節のような傑作」といった言葉が踊りまくっているのですが、映画の方もなかなか良い出来のようです。物語の前半は1935年のイギリスなので、どのような映像に仕上がっているのかも興味深いです。DVD化されたらぜひ観てみたいです。