2007 No.1 1/2-1/3
作者:アガサ・クリスティー(早川書房 クリスティー文庫)
評価・・・★★★★★ 5.0
<あらすじ>
金持ちの未亡人の館に集まった人々・・・有名スポーツ選手と、その現在の妻と元妻、2人の女性に想いを寄せる2人の男性。
彼らのあいだには不穏な雰囲気が漂っていた。
やがて未亡人が殺されるという事件が起きるが・・・
タイトルの“ゼロ時間”とは殺人が行われるその瞬間のこと。しかし、殺人は結果であり、事件は既にその遥か以前(殺意が芽生えた瞬間や計画段階など)から始まっているのだ、という視点に基づいて描かれた作品。
「何か起こるぞ」という不気味な雰囲気を徐々に高めていくクリスティーの描き方は上手い。
未亡人の殺人事件は小説の中盤で起こりますが、“ゼロ時間”の真相が明らかになったとき、驚くこと間違いなし!
クリスティー自身が挙げたお気に入り10作品のうちの1作です。