藤の花

父が、４月はじめに、老人病院に入所した。

生活が落ち着いてきたようなので、尋ねた。
面会時間には、少し間があった。

駐車場に、藤の花がたくさん咲いていた。

短い時間でスケッチできそうなところを探す。

描きあげて、見直す。
藤棚より、藤の花が、下にあったほうが、落ち着くと思った。

小さな失敗、これからの成功の元。

父は、穏やかな顔をしていた。

「ここはどう？」
「よくしてくれるよ。」

「お風呂入った？」
「良いお風呂だよ。」

なんか、ウルウル。
なるべく、会いに行きたい。