「県民の我慢限界」市民団体反発の声
2013年8月13日 沖縄タイムス
米軍車両が基地へ出入りするのを止めようと、国道330号の中央線に座り込んだため、警察官に排除される市民ら=12日午前、宜野湾市野嵩(福元大輔撮影)
オスプレイ9機の追加配備に、普天間飛行場のゲート前で抗議した市民団体などは強く反発した。
沖縄平和運動センターの山城博治事務局長は「ヘリ墜落後、米軍は県民に謝罪し、自粛する立場にありながら、オスプレイを強行配備した。配慮は見せかけ、県民軽視だ」と憤慨した。日本政府に対しても「事故原因も明かさず、やりたい放題の米軍を黙認し、くっついていくしかないのが日米同盟の実態。県民の我慢も限界だ」と話した。
沖縄平和市民連絡会の高里鈴代共同世話人は「反発する県民を県警の過剰警備で排除するやり方は、沖縄に基地を押し付ける政府の態度と一致する。いつまで県民をばかにすれば気が済むのか」と嘆いた。
ヘリ基地反対協の安次富浩共同代表は「この強引さを見れば、辺野古移設も県民の声を聞かずに進めるのではと懸念している」と話す。「オスプレイの危険性が増すのは戦場さながらの本格訓練が始まってから。その前に県民の力、怒りを結集し、米国へ帰らせたい」と力を込めた。
県統一連の中村司代表幹事は職場の那覇航空測候所で、最初の8機の飛来を聞いた。「ちょうど空港上空は積乱雲が発達し、民間機多数が広い範囲で上空に待機していた。そこに8機も突っ込んでくるなんて、傍若無人だ」と憤る。「沖縄の過密な空には、オスプレイも普天間も居場所はない」と撤去を求めた。
ドキュメント
6:00前 配備に反対する人々が普天間飛行場野嵩ゲート前に集まり始める
6:00ごろ 岩国基地周辺でオスプレイのプロペラ音
6:30ごろ 野嵩ゲート前で抗議する人々が米軍関係車両を次々に止め始める
7:05 海兵隊が「きょう追加配備を再開」と発表
7:55 オスプレイ8機が一斉に岩国を離陸
8:12 離陸の報を受け、野嵩ゲート前でシュプレヒコール
8:46 国道330号の中央車線で最初の座り込み。約30人が腕を組み、抗議の意思を示す。県警が約5分後に強制排除
9:00 集会始まる。オスプレイの到着が近づくにつれ、抗議の声が高まる。出入りする米軍関係車両に「ゲット・アウト・オブ・沖縄」
10:12 県議会がHH60救難ヘリ墜落事故への抗議決議案を可決
10:16 オスプレイ8機が2機、4機、2機に分かれて普天間に着陸。滑走路中央にある格納庫の前に並んで駐機し、米兵が機上に上るなど検査らしき動き
10:17 野嵩ゲート前、この日最大の座り込み約60人。「国道で座り込むのは危険」と警告する県警に対し、「オスプレイの方がもっと危険」と反発
10:30 宜野湾市嘉数の主婦(32)はオスプレイを見て、「不安だけど、本土の人も国も沖縄の声は聞いてくれないし、どうしたらいいのか分からない」
10:30 法律事務職員の女性(27)は沖国大出身。那覇市の職場で配備の報を聞き、「あすは墜落を思い出させる日なのに。悔しい」
11:00 夏休み中の仲井真知事に代わって高良副知事が「大変遺憾だ」
11:16 當眞宜野座村長が村民大会の開催を報道陣に明言。「日米両政府にしっかり訴えたい」
11:21 安倍首相が「住民の皆さまの生活を第一に優先して考えていく」
14:30前 宜野座村区長会で大嶺城原区長が「区単独では限界がある。オスプレイ撤回に向けて一致団結しよう」
14:58 KC130空中給油機が普天間を離陸。岩国からのオスプレイと途中で落ち合ったとみられる
16:06 KC130に続いて、オスプレイが着陸。この日飛来したのは計9機
16:20 野嵩ゲート前の集会が終了。「暑いけどあしたも集まろう」と呼び掛け