ハンセン放射線量、基準超 墜落1キロ地点
2013年8月21日 沖縄タイムス
【宜野座】米軍HH60救難ヘリが墜落した宜野座村の米軍キャンプ・ハンセン周辺で19、20の両日、琉球大学の矢ヶ崎克馬名誉教授(物理学)と市民団体「オキュパイ普天間」の平良夏芽氏が空間放射線量を調査し、墜落現場から約1キロの地点で最大毎時0・25マイクロシーベルトを観測した。
矢ヶ崎氏によると、那覇市内の約6倍、法令で定める被ばく基準の年間1マイクロシーベルトを超える値。自然界にないストロンチウム90とセシウム137を観測した地点もあった。
矢ヶ崎氏は「米軍ヘリ墜落によるものか識別できないが標準よりはるかに高い値。県民の健康を守るため、県が詳細な調査をする必要がある」と指摘した。
調査地点は米軍ヘリ墜落現場から約1キロの76、77、103ゲートの3カ所。空間線量と地表線量などを測る線量計2種を用い、地面から高さ1センチと同1メートルで30秒ずつ3回調べた。
空間線量は最小で毎時0・06マイクロシーベルト、最大で0・25マイクロシーベルトだった。77ゲートでは自然界にないストロンチウム90を1平方センチメートル毎0・01ベクレル、セシウム137を同0・06ベクレル観測した。
今回の測定結果について矢ヶ崎氏は「短時間で被ばく量が大きくなるような状況ではない」と説明。ただ、「たとえば原子炉で作られた放射線が年間1ミリシーベルト超だと法令上では住んではいけない場所になる。住民が生活する空間としては高い線量だ」とも指摘した。
測定結果が墜落事故によるものか自然放射線か現段階では特定できていないという。矢ヶ崎氏は墜落事故現場の土壌と草を採取し調査する必要性を強調した。
平良氏は「異常な数値が出たことは事実。どの放射線物質で汚染されているのか精査する必要がある。県に調査するよう求めたい」と話した。