50のひとり言~「りぷる」から~

言葉の刺激が欲しい方へ。亡き父が書きためた「りぷる」(さざ波)を中心に公開します。きっと日常とは違った世界へ。

奇妙な女と男は当然のように、・・・

2015-06-08 20:03:59 | 小説
奇妙な女と男は当然のように、車窓の地方都市の風景にそぐうものでなかっただろう。諍いとなると乗客の輪ができかねないと言う。
「わかっていますよ」
敏彦は電車の響きの内におさまる声を意識して、そう言った。

(つづく)