そうして安心して見送る敏彦を、・・・ 2015-06-13 22:05:29 | 小説 そうして安心して見送る敏彦を、理恵は頭の隅に描いていっていた。デッキにたどり着くまでにその彼を払拭しようと思っていくのだが、窓に宇礼市の季節の花やぐ人の風景をながめていく。あの方、望月幸男をそこに捜し求めてしまうと、ふと理恵はふり向きたくて、 「敏彦を頭の隅に置いていきましょう」 と小さく呟いた。 (つづく)