じろりと乗客をふり向きざまに・・・ 2015-06-10 07:49:02 | 小説 じろりと乗客をふり向きざまに見上げる。その手初めにするようにしたコメディアンの演技の効用は、さすが敏彦の思惑通り、通路の乗客をすごすご立ち退かせていた。 「ぼくは、スキャンダルの噂にはなってほしくないからです」 「スキャンダルには気をつけましょう。そっくりそのまま敏彦にもあてはまるわ」 (つづく)