
コロが呼んでいるような気がして、外に出た。
なにが欲しいんだ?と尋ねても甘えるばかり・・・。
丁度、後ろのポケットにスマホがささっていたので、取り出し、ハイポーズ!
う~ん。かわゆくは撮れなかったかぁ。
コロはトモダチ、でも恋敵でもあるのだ。
先日コロとチューしながら、カミさんが言ったこと。
「コロがいなくなったらどうしよう。きっとわたしは毎日何をしたらいいか分からなくなるわ」
「それ、コロが恋人ってこと?」
「そいうこと。恋人よねえ、コロ~。」
背中をさすられているコロはいつまでもカミさんにチューをせがむ。
その表情はとても幸せそうで、私が入る余地がない。
縁側に座っていた私はやがて力なく家の中へ入った。
俺は犬より下に見られているのか?と思った。
そんなことがあってから、私はコロを恋敵と思っておる。
犬と人間、どう考えても人間が勝つはずなのに、何故か不安でいっぱい。
私はカミさんがコロに言った一言さえもらえればそれでいい。
「あなたがいなくなったら、どうしましょう。きっとあたしは毎日何をしたらいいか分からなくなるわ」というふうに・・・。
そこでカミさんが上から降りてきたので、少しびびりながら「俺がもし亡くなったらどう思う?」と聞いてみた。
「う~ん。別に悲しまへんなぁ。あんた空気のようなものだもの」
「空気ってひどすぎ、・・おれの存在価値ってないじゃん!」
「あほか!空気をばかにするもんやないんやでぇ。空気って重要や、なきゃ困るやろ」
私はなおも反撃しようと言葉を出そうとしたが、彼女の横顔をみて、やめた。
「なに見てんのよぉ、この変態!」
「赤くなっとる」
「どこがぁ・・・」
「頬」
私がそういうと彼女は「化粧がうまくいかへんかったのかなぁ」とまた二階にのぼっていった。
まあ結論をいうと彼女はは空気のように自然に傍にいて欲しいってことか?
外を見れば恋敵コロは、ウヲオーン、ウヲオーンと勝どきをあげている。
負けた、・・・・のか。
結婚してからこれまでの24年間はなんだったのだ。
もうやめよう。
犬は犬、人間は人間、そもそも張り合うことが間違っている。
そう理解しながらも、カミさんがあいかわらずコロとチューしているのをみると、嫉妬の炎が燃え上がる。
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