「ねえ、化粧品買っていい?」
カミさんが珍しく私に猫なで声で、言ってきた。
「いいんじゃない」
私は何を今さらと思ったので適当な返事を返したところ、それが気に入らなかったらしく、一転、膨れっ面になってしまった。
「ねえ、どうでもいいと思っているんでしょう?」
「いや、そんなことは」
「嘘!顔に書いてある」
「いや、書いてあると言われても・・・」
「大体あなたって普段からそうよね。気が利きゃしない、こういう時は嘘でも”君がきれいになるのだったら”とかいうべきなのよ」
「俺が気が利かないって知っているだろ!そういうことは男だったら恥ずかしくて言えないものなのだよ」
私がそう反論すると彼女は膨れっ面をなおも大きく膨らませた。
「〇〇(次男の名前)とはえらい違いよね」
「えらい違い?〇〇とどこがどう違うんだよ」
「大学に合格が決まった日にね、私がこれで毎月のこづかいの分が浮くって言ったの。で、彼はなんて返したと思う?」
「・・・学費にでも回せって言ったんだろう」
「ううん、彼は”母さんの化粧品代にでも回してきれいになれよ”って言ってくれたのよ」
「・・・・・・」
「どう?偉いわよねえ、あなただったら100年たっても言えない言葉ね」
私ははっきり言って、次男はよけいなことを言ってくれたなと思った。
私は男は無口であるのが一番だと思っている。普段は無口でも、ここぞというときに優しく態度で示してやればいい。
次男のような”気の利いた言葉”など必要ないのだ。
「優しいわよねえ、あのこは・・・・」
カミさんはその時のことを思い出したらしくうっとり(?)した顔で空を見ている。
私はその顔を見て、なんだか段々悔しくなってきた。悔しくなってついこう茶化してしまった。
「そりゃ、あれだ。・・そうそう、君の顔みて”皺が多いなあ”って気の毒になったんだ」
その瞬間カミさんの膨れっ面は大爆発してしまった。
まわし蹴り一発!!
私は寸でのところでかわした。
「ふん!」
彼女は私の顔に唾でも吐きかけるような顔を見せると、その場をどんどんと足を鳴らして離れていってしまった。
後に残った私は後悔した。後悔してこう思ったのだった。
ほらね、だから俺に気の利いた言葉を要求するなっての。・・・男は無口が一番!これに尽きる。
気分になりました。
これからも拝見させていただきます。
読者登録、ありがとうございます。
私は脳のリハビリのため
週1回投稿しています。
ヒゲジイさま、コメントありがとうございます。
そうですか。私もリハビリで勧められてブログを始めました。
似た者同士ですね。
爆笑しちゃったじゃない( *´艸`)
そうですか、爆笑していただきましたか・・・・・。
今回のことで、私は学びました。
”女性と子供は褒めるに限る”(o^―^o)