「裏切った民主議員に報いを」 東電労組トップが不満 5月30日(水)朝日新聞
「裏切った民主党議員には、報いをこうむってもらう」。東京電力労働組合の新井行夫・中央執行委員長は29日、愛知県犬山市であった中部電力労働組合の大会に来賓として出席し、そうあいさつした。 「脱原発」をかかげる民主党政権のエネルギー政策などに、支持団体トップが不満を示した発言。中部電労組の出席組合員約360人からは、どよめきが上がった。 新井氏は東電の福島第一原発の事故について「(東電に)不法行為はない。国の認可をきちっと受け、現場の組合員はこれを守っていれば安全と思ってやってきた」と述べた。事故後の政権の対応を踏まえ、「支援してくれるだろうと思って投票した方々が、必ずしも期待にこたえていない」とも語った。(以上記事より)
昨日の朝日新聞に掲載されていた記事。労働組合がどの政党を支持しようがしまいが知ったことではないが、『東電の福島第一原発の事故について「(東電に)不法行為はない。国の認可をきちっと受け、現場の組合員はこれを守っていれば安全と思ってやってきた」と述べた』ということについては猿の小便でおおいに木(気)にかかる。
車寅次郎さんなら「田へしたもんだよ蛙の小便、見上げたもんだよ屋根屋のふんどし」と啖呵をきるだろう。
未曾有の事故を引き起こした当事者である企業の労組の長からこんな発言が出るとは恐れいりやの鬼子母神、あいた口が当分ふさがりそうにない。
福島のMark I型軽水炉については、IAEAの事務次長ブルーノ・ペロードが、1992年に東京電力に対して、格納容器や建屋を強化し、電源や水源を多重化し、水素爆発の防止装置をつけるように、などと提案したが、東京電力は対策はとらなかったという。また2007年のIAEA会合で東京電力に対し、福島県内の原発は地震や津波対策が不十分だと指摘した際、東京電力は「対策を強化する」と約束したものの、津波対策をしなかった。2006年と2010年には共産党の吉井議員が「巨大地震の発生に伴う安全機能の喪失など原発の危険性」について問題提起しているが、政府および東電はなんら対策を実施してこなかった。等々。
政府・東電の不作為が大事故を起こした原因だということについて、労働組合の委員長はどのように考えているのだろう。国民だけでなく東電の労働組合員も委員長のこの発言には大きな違和感を持つだろう。経営側の不条理を糾す役割を担っているはずの労働組合はもはや労働組合でなくなったのだろうか。