とかくに人の世は・・・

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  nob

栃木リンチ殺人事件その後

2009年03月14日 | 世の中のこと
3年前、記事にした「栃木リンチ殺人事件」の被害者遺族が求めた損害賠償訴訟で最高裁が原告の上告を棄却し2審判決が確定しました。最高裁が宇都宮地裁の1審判決から大きく後退した2審判決を支持したのは本当に残念であり、たまらなく憤りをおぼえます。
以下新聞記事からです

上三川町のリンチ殺人:原告側上告棄却 被害者の父「司法に失望した」【2009年3月14日 毎日新聞】
 ◇悔しさにじませ「司法に失望した」--。上三川町の会社員、須藤正和さん(当時19歳)が99年12月、少年グループからリンチを受けた末に殺害された事件を巡り、遺族が県(県警)などに損害賠償を求めた訴訟で最高裁は13日、原告側の上告を退けた。提訴から約8年。県警の捜査怠慢と正和さんの死亡の直接の因果関係や、加害少年の親の監督責任を認めなかった2審判決が確定したことに、正和さんの父光男さん(58)は悔しさをにじませた。
 光男さんは同日「結局、司法というのは加害者を守って、被害者の味方になってくれない」と憤りを語った。2審判決が「(正和さんは)犯罪の被害者になっているとの切迫した認識を告げて、救済を求めたものということはできない」などと指摘していたことについては、「被害者に責任を負わせるような判決が確定するのは許せない」と話した。
 1審判決(06年4月)では、捜査怠慢と死亡の因果関係を認め、県と加害少年らに計約1億1200万円(県の支払い上限額約9600万円)の賠償を命じた。だが、2審判決(07年3月)は、県警の捜査ミスは認めたものの「殺害を阻止できたとまでは認められず、救命の可能性は3割程度」と指摘し、県への賠償額も約9600万円から1100万円に大幅に減額した。
 訴状によると、正和さんは99年9月末ごろから少年グループにリンチを受け続け、同年12月に殺害された。正和さんの両親はその間、石橋署(現下野署)などに再三捜査を要請したが、同署は事件を放置したとしていた。
 上告棄却を受け、県警の山手康男警務部長は「今後、警察改革を一層推進し、再発防止に努めたい」とコメント。また、福田富一知事は「県警には、決意を新たに県民とともにある警察として、意識改革を続けてもらいたいと考えている」との談話を発表した。―


あらためて強者の論理で動いていく世の中の不条理を痛切に感じます。須藤さんの悔しさ、無念、お察しいたします。

「栃木リンチ殺人事件に思う」
「栃木リンチ殺人事件に思う2」



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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
見落としていました (おまさぼう)
2009-03-15 00:55:06
最高裁の判決が出たのを知りませんでした。

結局、2審の判決とおりになってしまって、須藤さんは夜も眠れないお気持ちでしょう。

この事件は私も生涯忘れられない事件です。警察の怠慢や身内意識には腹が立ちますが、憎むべきはのうのうと刑務所の中で生きている鬼畜の加害者たちです。

無期懲役なのでいずれは出所してくるんでしょうけど、監視し続ける必要がありますね。
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憤る事柄が多いですね (nob)
2009-03-15 16:39:49
この事件の記事をアップしたのがきっかけでおまさぼうさんとお知り合いになれました。

須藤さんのご遺族が損害賠償請求訴訟を起こされてから3年での決定。行政や司法はこれで終わりなんでしょうが須藤さんにとってはこれからずーと背負っていかなければならないことなんです。私たち市民も絶対忘れてはならない事件ですね。
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