とかくに人の世は・・・

智に働いてみたり情に棹さしてみたりしながら
思いついたことや感じたことを徒然に記します 
  nob

しゃぼん玉

2006年05月29日 | 世の中のこと
乳児放置死:パチンコ夢中の夫婦を逮捕 愛知-事件:MSN毎日インタラクティブ
パチンコ店の駐車場内の車に生後2カ月の乳児が放置され、死亡した事件(MSN毎日インタラクティブ記事より)


 また、なんともやりきれない事件(事故ではありません)が起こりました。同じような事件は過去何度も起きています。まったく学習能力がないんですね。 保護責任者遺棄致死の疑いで両親を逮捕ということですが、これはまぎれもなく殺人です。わずか生後2ヶ月の赤ちゃんを5時間も車内に放置する親(親といえるでしょうか?)に罪があるのは当然ですが、遊技場施設にも問題があるのではないかと思います。私は遊技場の存在自体を好ましく思っていませんが、こういった遊技場を大人が安心して利用できるように保育施設を併設することを義務付けてはどうでしょうか。愚かな親の存在がなくならない限り、遊技場側でこんな痛ましい事件を防ぐ対策をとらなければならないでしょう。

♪しゃぼん玉飛んだ 屋根まで飛んだ
 屋根まで飛んで  こわれて消えた
 しゃぼん玉消えた 飛ばずに消えた
 生まれてすぐに  こわれて消えた

 大正時代に野口雨情さんが創った童謡です。当時日本は大恐慌で、あちこちで飢饉となって餓死する人や病死する人が絶えなかったということです。その貧困のなかで養いきれずに生まれた子どもを我が手にかける親があったそうです。いわゆる間引きで命を落とした子どもも多くあったようです。子どもはもちろん、そうせざるを得なかった親の苦しみも計り知れないものがあります。しかしそれは紛れも無い事実です。平成の我々にそれを責める資格があるでしょうか。現代に生きる大人の方が余程愚かではないでしょうか。
 そんな切ない世の中をみて野口雨情さんは「しゃぼん玉」という詩を書き上げました。せめて屋根まで飛んでほしいと。

♪風風(かぜかぜ)吹くな しゃぼん玉飛ばそ

  世間の冷たい風よ、もうこれ以上吹かないでおくれ
  尊い命を奪わないでという願いが込められています。

 この平成の時代、幼い子どもの命が奪われるという事件が続発しています。この「心の飢饉」の時代に雨情さんが生きていたらどんな詩を書くのでしょうか。


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2 コメント

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しゃぼん玉のうた (おまさぼう)
2006-05-29 23:31:29
しゃぼん玉のうたにそういう意味があったとは知りませんでした。考えてみれば、悲しいメロディですね。



私も子供が犠牲になる事件を見聞きするたびに腹が立ってしようがありません。育てられないなら、虐待するくらいなら生むなと言いたいです。



子供とペットを一緒にしたら叱られるかもですが、自分の勝手なときだけ可愛がり、要らなくなったら捨ててしまう。



他人の痛みを想像できない人間が増えてきたのはなぜでしょう。私たち世代の責任なのでしょうか。わかりません。



テーマではないですけど、引用してくださった記事の毎日ニュースに英語版がついていることを知りました。翻訳の勉強に役立ちます。ありがとうございました。
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シャボン玉 (帆印)
2006-06-10 18:20:41
確かに、悲しい歌ですね。

でも、悲しい歌だからこそ、子供らは声高く歌い上げて欲しいと切に思います。

童謡の歌は悲しい歌が多いですが、子供らが歌ってる姿はいつの時代でも微笑ましいと思います。

野口雨情氏の、歌詞はどれも見事な日本語を綴られてますね。



NHKで、童謡を流してますが、しばし箸やら、ペンを止めて見入ってしまいますなぁ。
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