空を見る夢

　ぼくたちは夢を見なくてはいけないんだ。もっともっと大きな夢を。
　君は知ってるかい？
　空を飛ぶには力がいるんだ。
　さぁ楽しい夢を見ようじゃないか。
　こわい夢なんか捨ててしまえ、まだ誰も見た事のない楽しい夢を見ようじゃないか？

　夢の中は自由なんだ。誰にもじゃまされない、誰にも見つからない。君が決める事が出来るんだ。大きな街をこわす事だって、街を一から作り出す事だって出来るんだ。
　ぼくらは自力では空を飛ぶ事なんて出来ないけど、それを可能にする力があるんだ。ぼくらはつくり出す事が出来る。
　空を飛ぶ夢を見たからこそ、人は空をその手につかんだんだ。無理なんて言ってはいけないよ。一言口にするだけで夢がだんだん悪夢へと変わるんだ。現実のような理論を無理矢理押しつけられたり、遠くからひそひそ話が聞こえてきたり。君の夢のはずなのに、もっと他のいろんなものがまとわりついてくるんだ。
　もしそれで君が夢をあきらめる事になってしまうと悪夢が勝ってしまって、その夢は死神に連れ去られてしまう。

　夢なんて見続けるだけでもいいんだ。いつか必ず叶うんだと思う。誰がなんと言おうとも夢を守り、いつか解き放つ時のためにいつでも持っていなければいけない。
　空の先には何か、ぼくらの知らないものがある。それはたぶん夢の先にも。
　ねぇ、君はそれを見てみたくないかい？




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