前回の続きということで乳神神社のお話を致します。
そもそも乳神様は、乳房に似たコブを持つナラの大木です。
伝承によると、
大正時代の中頃、吉田というおばあちゃんが、この木を見つけたそうです。
このおばあさん、ちょうどその頃、かわいい孫が生まれたばかりで大変喜んでおりました。
ところが、母親の乳の出が悪かったそうでとても心配されていたそうです。
当時は、粉ミルクなんてものが無いから、子どもの命にかかわる問題です。
そんな時、乳房に似たコブを持つナラの大木を見つけまして、
「これは、乳の様だ」と直感し、
「どうか、この子の母親に乳を授けて下さい。」と一心に祈願したところ、
母乳が、たちまち出るようになったというのが乳信仰のはじまりです。
ここで、私が大事だな~と思うのは、
乳信仰が、「子どもへの切なる祈り」から始まっているということです。
今も乳神神社には、道内各地から子どもに関する祈りが捧げられています。
子どもへの無限の愛情は、全世界共通ですし、今も昔も変わりませんよね。
どんな方でも子どもへの愛情を必ずお持ちです。
私は、その原点が 母性愛にあるのではないかと思うのです。
それは、生命を宿すところが、母親の子宮だからです。
子宮とは、「子ども」の「お宮」と書きます。
お宮とは、「初宮参り」「お宮さん」とか言うように、様のいらっしゃる神社の事をいいます。
誰もが、母親の子宮(子どもの為のお宮)で、母性の神秘の力と愛情を感じながら生まれてきます。
子ども(胎児)のときに受けた母性愛が、一生記憶に残っていて、自分が大人になった時、また、親になった時に子どもへの愛情が自然にわいてくるのではないでしょうか。
母性愛のお蔭で、子どもへの愛情が育まれると思います。
もちろん、父親の愛情も大事ですが・・・
乳様は母性の様ですから、こどもの守りとう信仰が自然と集まります。
乳様が、母性のやさしさで守ってくれるという信仰が昔から今に伝えられています。
宮司一筆
そういえば、境内のつつじが少し咲いたようです。
エゾリス くるみより広告です。→こちら
浦幌神社・乳神神社 詳しくは→こちら