設計事務所の裏窓

夫は建築士。設計事務所をやってます。
裏から眺めた感想、日々の独り言。
不定期便で頑張ります~!

色眼鏡をかける時期

2004年09月03日 15時53分38秒 | 独り言
プロが素人を騙す 
これは どこの世界でもあり得る事だし 簡単だ。
だから 敢て 絶対あってはならない事だと個人的には
思う。それでも悲しい事に そういう事があるというのも
事実かもしれない。

だから 「家造り」をしている方達にとっても
プランや図面とかではなく 一番の気掛かりは 
「この お金で本当に公正な値段なのか。」
言い換えれば
「ちょっとでも 我々素人は 騙されていたりして
 いないのか。」
本音部分は こう思うところがあって当然かもしれない。

「家造り」には ちょっと冷静に客観的になっている
自分達がいる事が常に 大切だと思うのだが それでも 
その兼ねあいが 本当に難しい。

人間 不思議なもので 一回 色眼鏡で見た物は
どんなに修正しても変わらない。
「あそこは 他に聞いたら こう言ってた」
「本には 雑誌には こう書いてあったのに」
疑いは とめどなくなってしまう。

冷静に客観的にではなく 単なる「重箱の隅をつつく」
行為での「家造り」は 個人的には成功しないとも思う。

我が家の場合を見ても 一軒の家を完成させるまでには
専門屋(夫)と お施主さんの2人だけではない
数多くの人達が絡んでくる。
設備設計の人 構造によっては構造設計の人
そして施工会社の人達。施工会社=大工さんだけではない。
タイルや左官といった数多くの職人さん 外構の工事を
してくれる人達。建具屋の人達・・・・
一軒の家は 多くの人の技術の固まりでもある。
結局 人と人の繋がりで 一軒の家が出来上がるのも
事実である。

こっちが色眼鏡で見てしまえば 人間バカではない。
あっちも色眼鏡で対応してしまう。

とてもとても難しいが 色眼鏡をかける時期は
どこで造るか 建てるか それを決めるときに
たくさん かけて考えた方がいいと 個人的には感じている。

そして そんな色眼鏡を一度でもかけさせないように
するのが 我が家も含めたプロ達の本当の仕事と
いえるのでは ないだろうか。