設計事務所の裏窓

夫は建築士。設計事務所をやってます。
裏から眺めた感想、日々の独り言。
不定期便で頑張ります~!

病院にて学ぶ

2005年05月02日 19時27分14秒 | 独り言
今日は とある事情の病人の付添の為に ほぼ一日病院で過ごした。
紹介制と救急しか受け付けない総合病院なので患者数は
普通のマンモス病院より うんと少ないが それでも
連休の合間のせいか待合室には人が多い。

車イスの人。機械をぶらさげている人。痛々しい包帯で
ぐるぐる巻きになっている人。
病院という建物に入れば 外の世界でどんな地位にいる人も
弱き患者の同じ立場になる。本当に不思議な世界である。
そして健康体にとっては勝手ながら 病院ほど 
ドーンと心が疲れる場所はない。

病人が心臓MRIという検査があったので検査室の待合室で
ひたすら待っていると なんだかひどく退屈そうに
自分が見えたのか ドーンと暗そうにみえたのか
隣に座っていた見知らぬおばあちゃまが自分に
あれやこれやと盛んに話しかけてきた。

70過ぎくらいかな・・・・そう思っていたが・・・・
予想は遥に超えて82歳だった。とにかく元気でよく笑う
おばあちゃま。息子と娘はそばに住んでいるが自分は夫婦
二人暮らしだとか。孫が4人いるだとか。老人クラブの
習い事で一週間びっしり予定が入ってるだの カカカと
笑いながらよくしゃべる しゃべる。はてさて どうして
ここに?という感じだが 時々 心臓がズーンと痛い時が
あるそうで・・・・今日はその検査だとか・・・

「心臓も82年 動かして怠けてるのかな。カカカ」
なんて笑い飛ばしてる。
それでも時折 目を遠くに飛ばしては 年老いると心が
病気になる時があるんだという話をしてくれた。

なんともいえず寂しい気持ちになってしまうのだという。
それは言葉でなんとも表現出来ないという。
それを忘れようとする訳でもないが なるべく人と会ったり
外に目を向けているのだという。
そして毎日の日課は日記だともいう。
書く事は なんでもない日常だけれども最後の締めくくりは
必ずこう締めるとか・・・
「今日も一日 元気に暮らせました。ありがとう。」
別に誰に感謝している訳でもないけど 今日一日幸せだった。
ああ、良かったと感謝して寝るそうだ。

なんだか どんなにお金がある人や地位の高いと言われる人。
そのどんな人よりも このおばあちゃまは幸せな人なんだろうなと
感じてしまった。
人の幸せって 案外こんなものなんじゃないだろうか。
案外 こうやって転がっているものなんじゃないだろうか。
そして転がっている幸せを見つけられるのか踏みつけるのか
それも結局 自分らしい。

病院にて学んだ一日・・・・