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映画「サルバドールの朝」

   サルバドールの霊にこの花をささげる

2006 西 監督 マヌエル・ウエルガ 出演 ダニエル・ブリュール レオノール・ワトリング
レオナルド・スバラグリア レンタルDVDにて

あらすじ:1970年代初頭、フランコ独裁政権末期のスペインで、正義と自由を信じ、世界は変えられると理想に燃えていた青年サルバドールは、仲間たちと反体制運動に身を投じていた。資金調達のため銀行強盗を繰り返す彼らに警察の捜査の手が伸び、サルバドールは逮捕されるが、それは激しい銃撃戦の果てだった。瀕死の重傷を負いながらも一命をとりとめた彼が放った銃弾で警官が命を落とし、サルバドールは死刑を宣告される。

恋人を危険にさらしたり、武装して銀行を襲うことが許されるはずもない。『グッバイ、レーニン!』のダニエル・ブリュールが演じたサルバトールは、その志しにかかわらず愚かな若者だった。が、それ以上の愚行は、暴力団まがいの警察や不当な裁判も含め、恐怖と暴力で人を押さえつけることだ。極めて政治的に真実はねじ曲げられ、25歳の若者は見せしめとして処罰される。レオナルド・スバラグリアが好演する看守ヘススですら愛さずにはいられなくなる彼は、正義感に溢れた文学好きの心優しい兄であり弟であって、過激な活動家でもテロリストでもなかったのに。これが今からほんの三十数年前年前の実話である事に驚愕する。

以上は≪goo映画≫から借用した。

私が付け加えるのは父と子のこと。この父と子は似ていたが反撥し合った。しかし父が辿りかけて引き返した運命を子は極限までたどった。そして死刑制度の残虐さだ。スペインのこの死刑の形式や、フランスのギロチン刑が残酷というのではなく、どんなものでも死刑は残酷である。神ではないのだから間違いを犯すのが人間のさが。死刑は取り返しのつかぬこと、制度としてあってはならぬという世界先進国の潮流に日本人もくわわるべきである。





   看守ヘスス

●フランコ政権下のドラマ
→「捕らわれた唇」 9-12-10
→「パンズ・ラビリンス」8-5-11
●看守と囚人の交流
→「マンデラの名もなき看守」10-6-17
●ダニエル・ブリュール
→「ベルリン、僕らの革命」10-12-28
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