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映画「樹木希林を生きる」

2019 日本 108分 監督 木寺一孝 出演 樹木希林 

鑑賞 12月16日13時15分より港南台シネサロンにて

樹木希林は悠木千帆として民放のTVドラマやCMに出ていたころから長年見て来たが、さして思い入れがあるわけではない。それどころか最近の彼女、いろんな意味で世評があまりにも高くなってきたのに反発し、そっぽを向いていた。(ただ、彼女の後を追うように夫の内田裕也が亡くなったことには、秘めた夫婦愛として感銘を受けたけれど。)

しかしたまたま時間があっただけで見たら、彼女の役者魂と、死の直前まで働き続けようという、ストイックな姿勢に触れ、この映画を見てよかったと感じた。ただし、映画の出来栄えとしては、みなが言うように、木寺監督の公私混同と伝達能力のなさと、これは私だけの感想だが言語感覚の悪さ(「生きざま」という下品な言葉を多用)には神経を逆なでされた。希林さんがいらいらしながらも、1年間の密着を許したこの若造?を何とかかんとかものにしようと、死に至る病気にも関わらず正面から取り組む、その気迫に心打たれた。

これだけすばらしい彼女の良さを、私が生前感じることがなかったのは、日本の映画界にそういう脚本がなかったということか。

港南台シネサロンは今回初めて利用したが、こじんまりした感じの良いシアターだ。座席は自由、飲料の持ち込み可、という昔風の雰囲気。ちょっと松竹高槻やテアトル梅田を思い出した。

「歩いても歩いても」8-12-14
「奇跡」11-9-14
「そして父になる」14-7-7

 

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