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【映画】オーケストラ!

2009 仏 124分 原題 LE CONCERT 監督 ラディ・ミヘイルアニュ 出演 アレクセイ・グシュコフ メラニー・ロラン ミュウミュウ 島根県民会館にて

5月に上京した時あまりの人気に入場できず、見損ねたという曰くつきの作品。→シネスイッチ銀座(2010-6-2)ちょうど今レンタルが開始されているが、やはり大きいスクリーンで見られたのはうれしい。原題は「le+コンツェルト」つまりチャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲を指す。※

紹介(ぴあによる)
フランスで大ヒットした音楽映画。ロシアの名門楽団をブレジネフ時代に解雇され掃除夫として働く天才指揮者が、同様に落ちぶれていたかつての仲間を集め、名門楽団になりすましてコンサートに出場・モーツアルト・チャイコフスキーなどクラシックの名曲に乗せて、ガラクタオーケストラが奇跡を引き起こす感動作だ。

もちろん音楽が主なる映画であるが、前半はドタバタ喜劇のようでもあり、しかし細部で旧約聖書の出エジプト記からナチの迫害にいたる記憶をよびさまされる。ユダヤ人は商売上手という通念に基づいた自虐ネタもある。

パスポートの大量偽造とか、トランクを提げた団体が行進するシーンでは第二次大戦でのナチスの迫害が、ヴァイオリンケースで運び出される赤ん坊と、乳児モーセがナイル河の蘆の間で発見された姿と二重写しになる。エジプトで労役に苦しんだユダヤ人は、まさにロシアで落ちぶれていたもと楽団員そのものだし、パリにつくなり我勝ちにお金を要求し、勝手に街に散らばっていく団員は、紅海をわたったところで感謝を忘れてモーセを裏切る人たちのようである。

また社会主義崩壊後の世相はとかく喜劇のネタになることはドイツでも証明済みである。

猥雑な行動をとる自分勝手な人々が、リハーサルさえせずに本番に臨み、世にも美しい音楽を生みだす光景には、感動せずにはいられない。

※訂正:辞書に当たったら、協奏曲はconcertoなので、やはり「演奏会」が正しいようだ。うがった解釈だと思ったのにああ残念!
コメント ( 2 ) | Trackback ( 0 )
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コメント
 
 
 
Unknown (C.C)
2010-11-19 19:25:42
ビアンカさん、こんばんは。「旧約聖書の出エジプト記からナチの迫害」のユダヤ歴史とこの映画のストーリーを重ねた処がさすがビアンカさん!脚本家は意識してたんでしょうね。このユダヤの歴史って結構喜劇化されてますよね、というかあまりにも強烈すぎるから喜劇化されやすいんでしょうね。
 
 
 
CCさま (Bianca)
2010-11-21 08:22:18
コメント有難うございます。
>脚本家は意識してたんでしょうね。
ウーン、全てを意識していたのかどうか、私も少し、自信がないです。民族の記憶に織り込まれたものかも、と言う気もします深読みかも。それと、この監督ってJewishですね。よくもこれだけのネタを映画化したものだと感心しました。ウディ・アレンも真青ですね。
 
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