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宇野千代集

新潮社刊

おはんの映画を見てから、読んで見たくなった。

「おはん」「風の音」「雨の音」「刺す」「ある一人の女の話」「薄墨の桜」
などを収録。どれも作者の性格を反映しているらしい。何だか可哀想な女性だ。ひねくれていると言うのか、受身で耐えて勝ちをねらうというか、過去の日本女性の、弱さをそのまま力に変えて生きていくと言うか。その上、それを小説に仕立てて世間に発表するのだから、勝ちかたに念が入っている。真っ向から戦わないのは、無駄な努力をしたくないからだ。それは私も同じだから、分る。しかし、だからこそ、虫がすかぬ。

父親の生き方や性格に似ている。衝動を抑えられずに生きる。
世間の常識に捕らわれず、したいようにする。
「結婚」はしないと決めて、奔放に男性との関係を作る。

私は彼女のデザインしたハンカチを偶然、このごろ手に入れた。
白いガーゼ地で、ピンク色のさくらの花びらが縫い取ってあり、「千代」と言う名前も入っている。いかにも女性的で、しとやかな感じだが、その小説は荒々しい息吹に満ちているのがおかしい。
それも才能が豊かな人だから出来たことだ。

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