映画の感想など・・・基本的にネタばれです。
しづのをだまき
【松江】月照寺
お城から西へ5分、松江藩主松平家9代の墓がある浄土宗の寺。
朝9時半に門前で下車、彼はそのまま買物に、私は拝観料500円と抹茶代400円を払って入る。
寺の名は、初代・松平直政公の母の月照院から。もとは禅林だったそうで、どことなく、鹿児島の福昌寺(私の高校の裏にあった)の面影がある。
殿様とはえらいものだ。死んでからも、めいめい広い敷地を独り占めして、余人をよせつけない。功績のあった家老も、妻たちも、門外にションボリたたずんでいる。系図を見たら、初代は徳川家康の孫なのだ、それが松平家、御三家の一つになっているのだ。親戚だから親藩、なるほど。格式ばった土地なのも納得。
7代目、かの有名な不昧(ふまい)公の墓の門には、小林如泥(じょでい)の彫刻が。その棟木から、ひらりと一匹のクロネコが舞い降りた、地上には子猫が、四、五匹固まっている。毛並みは白混黒と様々だ。先ほどから、箒の手を休めて、解説をしていた紳士が、あの高い所でうんだのだろうと言った。入る前には気づかなかったが、私が墓を巡っている間に、下に運びおろしたのかも知れない。
茶は書院造りの「高真院」で出される。どこからか現われた受付の女性が、切符を持っていって、盆に載せた抹茶と菓子(路芝)を、縁にしますか、緋毛氈にしますか、と聞いて、おいていくだけで、全然肩がこらない。すでに縁には一人先客があるので、遠慮して、室内にした。斜めに庭が見える。蓮の池のふちに15cmほどの亀が甲羅を干し、赤と緑の楓が背景にある。お茶の後、首を伸ばして、「こんにちわ」と声を掛けた。彼女は手帳を閉じてニッコリ。いろいろ話をした。彼女も市内に住み、句会の締め切りが近く、数が足りないので、こうして考えていると。猫の話をしたら、どのお墓ですか、ああ、そちらは回りませんでしたと、惜しそうに言った。
彼女によると65歳以上の市民は入園料がただなのだそうな。そのころ私がまだここに住んでいたら※、散歩コースに組み入れよう。ただし、ノラネコたちに、避妊手術をしてやらなくてはならないかなあ…
※結局その後11年松江に滞在したわけで、まさかこれほど長くなるなんて知らぬが仏の、のんきな私。(2022-6-20記)
7年後に再訪→「月照寺」15-6-24
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この間、明治神宮を散歩してきましたが、精霊が宿ってるのでは?と思われる巨大な立ち木が茂る空間で、とても心地がよいものでした。なかなかそういった時間を過ごすことができないのですが…、こちらの記事を読んで、無性に行きたくなりました!
出雲・松江の旅は貴ブログのはじめの方にありますが、超高速の旅の途中で、ゆかりの場所を訪れていらっしゃるのはさすがですね。松平不昧公の人気と言うか名声には恐れ入ります。ところで、無料になる=散歩コースになるまでにはしばらくかかりますが、そのころまでいるかどうかは、天のみが知るところです。