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無知

無知とは恐ろしいものである。
32歳で、初めて外国に行くまでは、私はどういう環境でも生きていけると思っていて、15㎏のスーツケースのほかは、何も持たずに出掛けた。
食料も本もいれず、スーツ1着とジーンズ3組と靴も1足だけ。

第二次大戦の日本軍のように、現地調達で全てまかなうつもりだった。
そして同じく、ひどい目にあったわけ。

外国も日本もそんなに違いはないだろう、とにかくスーパーがあれば暮らせると高をくくり、出発前に「スーパーあります?」と経験者に聞くと「いいえ、スーパーはありません、スーク(市場)があります」という答えに唖然とした。
任地ハマには、ローマ時代の水車があると聞いて、川合玉堂の絵のような静かで牧歌的な生活ができるように想像していた。あたかも赤ん坊を生むまでは、聖母子のような平和と静けさに満ちた生活、またはCMのようにきれいで愛想の良いいつも笑っている母子でいられると想像した女性が現実に打ちのめされるようなものかもしれない。

「二本立て」18-1-28

「ミナリ」21-10-18

「愛と憎しみの伝説」16-3-5

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