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アメリカに旅立つ姪

日曜の夜、義母や義弟の一家と会食した。松江の市立中学に通う姪が、夏休みに大叔母の住むアメリカに行くという。年の行った両親から生れたひとり子で、まわりの皆から甘やかされて育った娘だ。わずか13歳で外国? 私がその年齢で経験したのはせいぜい、東京だったけれど。夫に至っては、23歳まで東京も見ていないし。

その姪に、はなむけと称して、1万円やると、伯父つまり私の夫が主張する。進級祝も含めて3万円渡すと、祖母つまり私の義母は言う。労せずして、2週間のアメリカ旅行と、4万円を手にするわけだ。TVのクイズ番組でもなかなか起きないことである。会食の後、金満家の彼女は文房具店に行って4色ボールペンを5本買った。値段は1800円位。こんな訳のわからぬ少女に多額の金を与えても、それは与えるものの自己満足に過ぎない。帰りの車中で、「筆箱を買いたいから別の店に行く」と念仏のように繰り返していた。両親はあきれ果てて一言も返事しない。たまりかねた私は「ここで止めて」と車から降り、大雨洪水警報の出ている夜の町を歩きながら、自分に子どものいないことを、改めて祝福した。

姪には、文房具などそれぞれ一種類しかないような米国で、ものの溢れる日本がいかに異常かに、せめて気づいてほしいものだ。

→「驚くということ」9-8-15
→「ジグソーパズルと私」16-10‐24
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