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忍者になる



展示会を見た後の感動と疲れで、館内の茶房から、ぼんやり庭を見ていた。

そこでは忍者フェスタが催されている。「忍者になって遊ぼう!!」どうも忍者検定のような本格的なものではないようだ。先ほどから何人かの男の子が、手裏剣を穴に投げ入れているのだが、ほとんどは外れ、5回に1回入ればいい方。野球が人気の遊びだった戦後、同じ位の年齢の弟はもっと上手に投げていたけど、今の子供はあまり外遊びせず、その分身体能力が落ちているのかな、と考えていた。

抹茶とお菓子で元気回復、ぶらぶらさっきの場所に行き〈怪しい人と間違われないようにさりげなく)手裏剣を拾って見ると、柔らかいゴムかプラスティックかだった。受付の女性に、「中で見ていたんですがなかなか入らないものですネエ」と言うと、「そうなんですよ、忍者認定一回りやってごらんになりますか。100円です」と勧められた。客が途切れていたこともあるだろう。これをやらずにいられようか。脱ぎ捨てた上着と荷物を預けて、勇ましい半袖姿でまずは手裏剣に取り掛かる。

肩に構えて、1.5メートル位先の段ボールの穴に入れる。4本入り40点。〈どれも時間制限があるので素早く行動し、失敗を引きずらず次に挑むことが肝要だが、それは私の性分にあっているようだ)
次は屋内で、10本の火のついたろうそくを吹き消す。肺活量に自信はないが、何とか全部消せた。巻物取りは難しい。へなへなした鉤で、巻物の端のつまみに引っ掛けるのだが5本くらいはつれた。ペットボトル倒しは横一列に大小10本並んでいるのを、段ボールの手裏剣を投げて倒す。後半忍者が「そらがんばって、もっともっと、全部倒しましょう」という掛け声にあおられて全部倒せたとき、はしたなくも「バンザイ」をしてしまった。〈われながら乗せられやすい性質だ)

71点以上が上級で私の90点は稀に見る高得点だそうだ。この日は特別体調が良かったからで、二度と出せないだろう(と予防線を張っておく)。認定証を渡される時、女校長先生?に「最初からこの人なら上級だと思っていました。《くノ一》の頭領になれますよ」とおほめ頂いた。「最初からって?」と一瞬考えたが、きっと見るからにやる気が溢れていたのだろう。

こういうことができるのも単独ゆえ。家族やグループで来ていたら、とてもできまい。

それに、考えて見れば、4歳以上で年齢に上限はないとはいえ、屈強な若者はもちろん、高齢でも、小学生でも、男子なら面映くて参加できないのじゃなかろうか。私がもともと運動は苦手な上に、今では関節症を患い、老化が日々進行している60代後半の女性だからこそ、その気になれたということか。老と幼、似ているのは確かだが、より無邪気なのは老かも。
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