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堀市郎とその父櫟山(れきざん)



  市郎の撮影した  清水善造    早川雪洲    東郷平八郎

(松江歴史館にて3月20日~5月6日)

代々松江藩士だった堀家の9代目・堀良蔵は明治初めに藩がなくなり失業。早々と隠居してその後幅広い趣味に生きた自由人だったとか。松江の風流な風土も影響したかもしれないが、息子櫟山は画家に、孫市郎は写真家になる。

そもそも初代・堀市郎衛門は、会津藩主蒲生忠郷〈氏郷の孫)から京極忠興と主を変え遍歴し、最後に松江藩松平氏に仕える。そのまま松江に住み着いたわけだが、遍歴のDNAは確かに残ったろう。「瓦解」により長い間培われた松江の風流ぶりが9代目の若隠居、そして10代・11代目の感覚に花開いたかの感がある。

テニス選手清水善造〈ウィンブルドンでのチルデン相手のフェアプレイは語り草になっている)ハリウッドスター・早川雪洲、そして東郷平八郎を見ても、彼ら明治の人の素晴らしい面貌を見事に写し取った市郎の腕は並々ならぬものだと感じる。ニューヨークでは、彼のモデルになることが一流の証だったとか。野口英世とも親交があったらしい。多くの写真が「佐野氏蔵」となっていたが、佐野史郎氏との関係はどうかしらと思った。

昨年3月の開館以来、2ー3回見に来たが、スタッフも客も慣れずに何かと落ち着かなかった。でも今回、松江歴史館も内容充実して立派になったなあと思うことだった。

東郷平八郎
→「けすいぼ」14-8-21
松江歴史館
→「三箇日日記」17-1-3
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