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【映画】ミリキタニの猫

2006 米 ドキュメンタリー DVDで鑑賞 監督 リンダ・ハッテンドーフ

実際に見たら、思っていたよりずっと面白かった。

主人公は、米国生まれの日系人、80歳を超えるジミー・ミリキタニだ。日本名は三力谷つとむ。路上生活をしながら絵を売っていたかれと2001年の初め、偶然知り合ったリンダは、彼の希望により、9ヶ月の間彼を撮影したが、そこにあの9.11事件が起きた。相変わらず路上で絵を描くかれは、もうもうたる塵埃のために咳き込んでいた。それを見かねて彼女は1人暮らしの家に招き入れた。彼の過去ー故郷広島に原爆が落ちたことや、戦時中の日系人収容のことを知る。すべての身寄りをなくしたかれは、偉大な芸術家と自称し、アメリカの社会保障制度にはお世話にならないと誇り高い。しかしまわりの人々は上手に彼の面倒を見て、役所とも掛け合った。
彼の絵のテーマは、日系人の収容所や、原爆や猫。彼は生涯で初めて、収容所のあと地を訪問する。80歳を超えて過去と折り合いをつけようとする姿が感動的だ。

居候なのに、ジミーは夜、彼女の帰りが遅くなると小言を言う。「若い女がこんなに遅くまで」まるで父親のように。彼女は彼女で、きっぱりとそれを跳ね返す。そのシーンが一番印象的だ。見てから大分たつのだけれど。


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コメント
 
 
 
リンダとミリキタニ (JT)
2009-08-16 23:51:55
監督のリンダ、彼女の人を見る目がよかったんでしょうか。あの絵を目にして、この人にはなにかあるとピンときたのかもしれないです。そしてミリキタニ氏も彼女と出会って、Biancaさんの言うように過去との折り合いをつけられたような気がします。人と人との出会いってわからないもの…ですね。
 
 
 
JTさん (Bianca)
2009-08-17 21:26:13
貴方の記事を読んでからもう2年以上たちますが、見ることが出来て本当によかったと思います。この2人の出会いが実りあるものになった根柢には、それぞれが独り立ちで強く生きていることもあるのではないかと思います。アメリカは彼の人生を台無しにしたかもしれないけれど、それを回復することもできた。自由な生き方を許すニューヨークの町も魅力的ですね。
 
 
 
Unknown (C.C)
2009-08-25 19:43:57
ビアンカさん、こんばんは。私のブログにミキリタニのコメント頂いたのですが、生憎中国からはなにも出来ない状態で頂いたコメント掲載出来ない状態です。すみません。

友人から時々ミキリタニさんの誕生日パーティーするからという招待状をもらうのですがなんせNYは遠いです。

こちらでは映画はハリーポッターを見たのみ状態です。英語版の映画上映は大作くらいであまり多くなく、中国の映画では面白そうなのがあるのですが見ても分からない・・・ので劇場は遠のいてます。けどケーブルチャンネルで昔の香港映画チャンネルがあり英語サブタイトルがついているのでこれよく見てます。変な香港映画面白いですよ。
 
 
 
Unknown (Bianca)
2009-08-26 08:41:26
CCさん、こんにちわ!困難な中から、コメントを有難うございます。時差ボケはなおりました?中国は近いから、気楽ですわ。貴女のブログに載せたのは以下の文でした。

JTさんに続き?私も見ました。ずっと前に劇場でもやっていたようですが、DVDをレンタルしたのです。良かったです。かれの絵にも優しさが感じられたし、NYの自由を許す空気と、半面、ヒューマンな面が感じられました。そうですか、お友だちが関係しておられたんですね。16 August 2009 06:53:27

>友人から時々ミキリタニさんの誕生日パーティーするからという招待状をもらうのですがなんせNYは遠いです。

ミリキタニさん、銀幕の人物だと思い込んでいましたが、そうして見るといかにも現実の存在なんですね。松江に越してきた時のCCさんの言葉じゃないけど、なんだか「シュール」な感じ。

しかし、中国にいてTVしか見られないのもさみしいですね。そういえば、40年ほど昔ですが、平壌に新聞記者の夫とともに滞在した友が、ソ連のラジオの音楽ばかり聞いていたそうです。ビルから監視員なしには一歩も出られない特派員だったようです。
 
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