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【映画】ノックは無用



1952 米 監督 ロイ・ベイカー 出演 リチャード・ウィドマーク マリリン・モンロー アン・バンクロフト レンタルDVD 原題 Don't Bother To Knock

米映画の中で、男女両性の特徴がはっきり2つに分かれていた時代。60年前はこうだったかと、歴史を学ぶつもりで見ることもできる。しかし、こんな時代には生きづらかったろうなぁ(独り言)。

ウィドマークは眉間が狭く、端正な顔ではないが、筋肉が盛上ったタフなタイプで、当時は、例えば喫煙の仕草などに、色気が感じられたのだろうと思う。(1960年ごろの映画誌で、1人の男性が投書欄で熱烈に支持していたのを思い出す。)

モンローといえば今も良く見る、ガウンをずらして肩をちょっと出すとか、靴下を脱ぐのに太ももを見せるとかの色っぽいシーンの大盤振舞。セックスシンボルとして人気を博するきっかけになった映画がこれではないか。ウィドマークとの恋に悩む歌手、アン・バンクロフトは大人びているが、これが21歳のデビュー作、ウィドマークも37歳だから、当時は人間の成長が早い。

物語は、ある一夜、NYのホテルを舞台に歌手(バンクロフト)とシカゴから訪ねて来たその恋人で飛行士(ウィドマーク)、中年のボーイ、その姪で子守に雇われたポット出の娘(モンロー)や泊り客たちなどの間に起きたあれやこれや。、失恋の危機あり、情事への誘惑あり、殺人未遂ありだが最後は円満に解決する。

モンローの役は入院歴がある情緒不安定な女性で、顔は途方にくれた少女のように見え、この表情とこの肉体で迫られたり、突飛な行動をとられたら、男性は手の施しようが無くなるだろう。(ウィドマークも最初はフラフラするが、さすがはパイロット、直ぐに立ち直り、頼もしい所を見せる)また、当時の精神医学常識の未発達、人々の無理解もシナリオに現われている。

窓ごしに見て想像を逞しくする夫婦は、ヒチコック「裏窓」や、ウディ・アレン「マンハッタン殺人ミステリー」に影響しているように見える。

星2.5
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