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【松江】本の世界

日本を代表する建築家菊竹清訓氏(1928~2011)の設計した島根県立図書館

松江のいい点は、本を読むのに良い環境だということ。

今まで、県立/市立と島根大学の図書館をのぞいて見たが、
館内はひっそりとして物音一つせず、おしゃべりする若者や、駆け回る子供、
泣き喚く乳幼児なんかには一度も出会ったことがない。

本屋は、今井書店というのが有名だが、その入り口近くには「これだけは読んでおこう」という平積みコーナーがあり、岩波文庫の「赤と黒」などが並んでいる。

大阪の本屋や図書館(といっても府立とか茨木市立中央図書館ではなく、よく利用したその分館)では、書架に並ぶのは娯楽作品が圧倒的、本の背表紙を見て知的好奇心を刺激されるということは、めったに無かった。一体、青春時代に垣間見たあの世界は、幻だったか、消えてしまったのか。そう思っていたが、松江に来て、そうではないことがわかり、これだけでも来た甲斐があると思っている。

市立図書館で、ヴァレリーや澁澤龍彦そのほかの個人全集がずらりと並んでいる様子を見て、ゾクゾクっと身震いがした。戦前の旧制高校のもつ雰囲気ーー「教養主義」とでもいうのかーーが、ここにはある。

先日借りた本は・・・

ジノヴィエフ「余計者の告白」/モンテーユ「世紀の恋人・サルトルとボーヴォワール」/ハース「女なしのほうが幸せな57の理由」/ブラウン「オードリー・ヘプバーンズ・ネック」/海藤彬光「なぜ日本の外交官は世界からバカにされるのか」/毎日新聞大阪本社学芸部「女の気持ちW(ウェスト)」

しかし、面白そうと思い、借りるには借りたが、昔と比べ頭がわるくなったせいか、読み通せない本もあった。読書が習慣になってないと技術も衰えてしまう。

11/10付記
きのう今井書店を再訪。入口付近の台には来年の手帖・日記帖が並ぶ。もう年の瀬が近いせいか。岩波文庫の棚に行くと、何たることか「赤と黒」は必読書ではない、上の棚にあった。Margot&claudiaさん、ごめんなさい!(モームはこの本を「世界の十大小説」に数え、ボーヴォワールは著者スタンダールを「心優しい女性の伴侶」と絶讃しているので、ついカン違いをしたようだ。)
今井書店の推薦書:プラトン「饗宴」新渡戸稲造著「武士道」九鬼周造著「”いき”の構造」「聞けわだつみの声」「山びこ学校」(以上岩波文庫)他。          

コメント ( 4 ) | Trackback ( 0 )
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コメント
 
 
 
Unknown (claudiacardinale)
2007-11-01 17:00:09
こんにちわ。澁澤やヴァレリーがずらりと並んでいて、「赤と黒」が必読書にあるなんて!松江と私の相性はけっこういいかもしれません。なんとなく松江=パリのような気がしてきました。文化度が高い街ですね。
 
 
 
Unknown (Bianca)
2007-11-01 17:21:43
フッフッフ・・・(嬉しさのあまり笑みが洩れます)「松江=パリのよう」とはよくぞ言って下さいました。京都=パリとか、松江=小京都とか言いますが、間に京都を挟まず、直接パリにたとえられるのは、いい気分です。ここは私のふるさとではなく、越して来てまだひと月にしかならないのに、こんなに土地自慢をするなんて、全く節操の無い私。それはそうと、クラウディアさんと本の好みが合うのはうれしいです!!
 
 
 
Unknown (margot2005)
2007-11-03 18:54:19
こんばんは!
パリ=京都=松江...いや凄い繋がりですね!
実はわたくし京都出身で、パリも、松江も大好きな街です!
さて最近は時間がなく本を読めないので哀しいですが...
ヴォーヴォワールの「老い」を20代の頃に読んだことがあります。全然ピンと来ず(当たり前ですが..)今一度読んでみたいNO.1本となっております。
>「赤と黒」が必読書...素晴らしい!図書館ですね!
 
 
 
margot2005さん (Bianca)
2007-11-04 12:14:09
こんにちわ!
京都出身だったんですね~道理でパリがお好きで・・・
松江はこの3者の末席にいてもいいんでしょうか・・・
「老い」は、若いころは分からず、40代過ぎてやや分かり、
今となってはあまり読みたくない本になってます。
(この年になると鏡はのぞきたくないもの)
ほんとにいい図書館です。たとい読まなくても、本は揃っていて欲しいもの。私たちは家にあまりスペースがないので、書斎代わりに是非、いい図書館がほしいです。
 
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