映画の感想など・・・基本的にネタばれです。
しづのをだまき
十二歳の半年
2022年09月11日 / 本
著者 北畠八穂 創元社世界少年少女文学全集45巻現代童話集(1956刊)
初出 昭和21(1946)年 雑誌「銀河」
「燃えている星の中にはいっていた人があろうか。ぼくはいたよ、と言ったら、みんなは、ふざけるなと笑うだろう。だが、たしかにいた。あれはほんとうにあったおとぎ話だ。」
解説には「戦災で傷を受けた少年を励ます先生の中に、作者のヒューマニズムが、生までなく、美しくあらわされています。」とある。また小島千加子「作家の風景」によると「空襲で孤児となった少年が身体に受けた傷や苦しさにめげず、明るさと心の安定を見出す話だが、清冽で健やかな作風や、不死鳥のように羽ばたく作者自身の暗影といってよい」
全体が、詩人の作らしく美しく心地よい日本語が使われている。作者は青森出身、21歳で罹患したカリエスの後遺症とともに生きた。
27名34篇中、女性はこの作者と石井桃子「山のねこ トム」 壷井栄「柿の木のある家」などの3人のみ、小川未明「考えこじき」 坪田譲治「がまの芸当」「犬と友だち」 椋鳩十「片耳の大鹿」 新美南吉「ごんぎつね」 浜田広助「ふしぎな山のおじいさん」 与田準一「花もよろしい」 吉田甲子太郎「自転車の夢」 国分一太郎「犬あそばせ」 青木茂「大万化狐」 飯沢匡「子ども おとな」等。
この作は12~3歳のころはじめて読み、最近、また読みたくなってネットで探し当て借りたが、彼女と坪田譲治・飯沢匡の作品を読むとありありと当時の気持ちがよみがえった。
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