映画の感想など・・・基本的にネタばれです。
しづのをだまき
田舎女
1953 イタリア 109分 DVD鑑賞 監督 マリオ・ソルダーティ 原作 アルベルト・モラヴィア 原題《La provinciale》主演 ジーナ・ロロブリジーダ ガブリエル・フェルゼッティ
美貌のジェンマは夫がローマ大学の教授に栄転することで皆に祝福される。その祝宴の席で、友人アルヴィラをナイフで刺してしまう。彼女やまわりの人たちの脳裏を過去がよぎるのだった。
ジーナ・ロロブリジーダは顔も身体も整っているが迫力に欠ける。もともとそういう役柄だからかも知れないが。教授夫人という地位にありながら満ち足りぬ思いにしのびよる誘惑。
昔の恋人パオロは容貌優れ、今は医者となり錯乱した彼女を往診する。夫は学者として秀逸、夫としても誠実。一見恵まれていながら迷走した彼女だが、修羅場を経て真実に目覚める。
<傑作メロドラマ>とのこと。冒頭で、窓を開き熱情的にピアノを弾き始める女性ーそれ以後活躍するわけではないがーが印象に残る。provincialeは「首都以外の」という意味で「田舎女」という訳は少し違うような気がする。
モラヴィアの同名原作(1937)は人物へのまなざしが終始冷たく容赦ないが、映画は登場人物の内面深く入り、同情的で、救いのある結末になっている。
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