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【映画】ゼロの焦点(1961)

1961年 95分 監督:野村芳太郎 出演:久我美子 高千穂ひずる 有馬稲子 
鑑賞 DVD(7月7日)テルサ劇場(9月26日) 

前に【本】ゼロの焦点(09年7月19日)にも書いたが、犬堂作品のマイナスの衝撃が大きく、対照してこちらもアップしたくなった。重複するがご容赦のほどを。

これは松本清張の代表作で、占領軍相手の夜の女性(パンパン)と、能登半島が重要な要素をなしている。久我美子が、育ちの良い、教養もある、新婚7日目に夫に失踪された新妻を演じている。彼女が東京から金沢に夜汽車で行く、その光景は、映画ならではだった。H=湯とC=水のボタンが硬かった洗面台に残る黒い煤、扁平な紙コップ(その前はアルミコップ)と飲料水タンク、初めは素焼きだったが、のちにポリ容器に入って売られた10円の緑茶、夜明け、人より先に起きて洗面し、化粧して席に戻る女性、肘掛を枕に膝を曲げて寝る男性などなど、夜汽車の旅の細部が甦って来る。小説では、当たり前のこととて説明していないので、映画というものの持つ、タイムカプセルのような機能が実感される。

原作:「零の焦点」は初出が「宝石」1958年3月号ー1960年1月号連載
   1994年中央公論社

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