映画の感想など・・・基本的にネタばれです。
しづのをだまき
重慶から



3人の男子高校生がうちにやってきた。お土産が截り紙、泥人形、詩集。ほかに自筆の草書もあった。
彼等がきたのは私の帰省中の9月12日(土曜日)だったので、以下は後で聞いたことである。
シリアの協力隊仲間でJICA関連団体で働くKさんから電話があったのはその2週間ほど前のこと。
ホーム・ビジットと言って、10時から5時まで外国人を家庭に招くという企画である。
つれあいは義母の介護があるのだが、古い仲間のたっての頼みをむげに断るわけには行かないと、1~2時間義母の帰宅を遅らせることにした。
中国・四川省・重慶市の南開中学、日本でいうと高校2年生らしい。
私はせめてこれだけでもと、石鹸水で居間の床を洗っておいた。家の中を全部みせたとのことだが我家は2LDKのアパートで手作り家具が目立つほかは小ざっぱりと何もない。さぞ貧乏なうちに招かれたと思ったことだろう。
会話は英語で、彼等はそれほどうまくはないが、Kが話していると拍手が起きたという。共鳴の拍手か、「その辺で終って」と言う意味の拍手かは疑問だ。
いずれ皆ひとりっ子だろうし、さぞ我儘で扱いにくい子供たちだろうと予想していたが、愛らしい顔つきで行儀よく、我家でのお茶(ジャスミンティーと洋菓子)のあと、進んで食器を洗うという仕付の良さだったとか。
松江で一番大きい本屋に連れていったら、CD部門で目を輝かせクラシックやその他、めいめい好みのものを時間をかけて選び、買い込んだそうだ。無印良品の店でもあちらよりずいぶん安いと言っていたとか。「中国人は冷たい飲食物は苦手」と言う事前の注意があったが、希望を聞くと「スゥシィ」が食べたいという。大丈夫か、挑戦してみるか、と近くの回転ずしに連れて行ったら、やはりそうは食が進まなかったらしいが、若者らしい好奇心と冒険心が微笑ましい。
後で調べると重慶は有数の工業都市で周辺人口約1400万、南開中学は、1930年代創立の中国屈指の名門校、つまり彼等は高校生の中でもエリートなのだ。学校紹介の絵葉書を見たら、大学なみに広壮で施設がそろっている。そうとは知らずに引受けたのだが、彼らがエリートで優秀であればあるほど、若く柔軟な頭で、日本の大都会で、エリートや金持ちと接するよりは、小さな地方の街に来て様々な層の人と事物に触れることは遥に良いことであろう。
うちの事情もあり今後もどんどん引受けるとは言えないが、世の中にはこういう経験をしたい人がほかにもいるのではないか、受け入れ側の発掘にも努力してほしいとKは言っている。
重慶と言えば小説「紅岩」とか「重慶から来た男」と言う映画も想い出される。昔習った中国語を試す機会は逃したが、彼等が来てくれてとても良い思い出を作ってくれた。
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