映画の感想など・・・基本的にネタばれです。
しづのをだまき
〔映画〕マリー・アントワネット
2006年米国 2h03 監督 ソフィア・コッポラ 主演 キルスティン・ダンスト
マリアンヌ・フェイスフル 鑑賞@三番街シネマ
ブログを見ると軟派から硬派まで、映画ファンが、皆かぶとを脱いで
いるので、やおらおみ腰を上げて、見てきた。「Virgin suicides」1999
の印象も悪くなかったし。結果は、期待に違わず楽しめた。
ソフィア・コッポラは、親譲りの才能と、良い環境で育った
事を、ちゃんと生かしているので、今後とも大いにやってほしい。
映画技術のことはあまり知らないし
王宮や王族の栄華、贅沢にも関心ないので、
女性の人生という私にも分る部分について感想を。
「世継ぎを」の声が高まるのに、高貴で幼い彼女は、
娼婦上がりのデュ・バリー夫人(Judy Davis が怪演)のようには
巧みに夫を操れないし、自分を国交の道具に仕立てた母
(マリア・テレジア)に恨み言一つ言わず、大人しく「もっと
がんばります」と返信してるのがいじらしく思える。そして、
いつの間にか、突如、彼女は母親になる。次々と、
きのこのように増える子供。このあたりがまるで御伽噺だ。
ソフィアも35歳で母親になったが、こんな感じだったのかな?
革命の暴徒がベルサイユに押しかけてきた時、バルコニーに出て、
深々と一礼する彼女に、打たれたかのように引き上げていくシーン。
「パンが無いならお菓子を」という有名なセリフはでっち上げ
だったというが、このシーンは実話だろうか。
状況が悪くなるにつれて、彼女の美質が輝き出す。とくに、周囲
の貴族たちが一斉に逃げ出すのに、彼女は夫のそばにとどまるという。
タイタニックの船長の如く、ヒトラーのそばのエヴァ・ブラウンの如く
(このたとえは一寸まずいかな)
1人の人間として見れば、どんな人も愛すべき点はある。
でも、その人が、社会的に持つ意味が、大きい場合、
その人の善意も誠実も、意味を成さない場合がある。
「太陽」で描かれた昭和天皇もそうだ。
「無知は無罪ではない」"Ignorance is not innocent."
高校の英語にそういう文があったっけ。
「あの胸にもう一度」(1967)で、裸身に革ジャンをまとい、バイク
”ハーレー1200”にまたがり恋人のもとに駆けつけた、青春の女神のごとき
マリアンヌ・フェイスフルがこの映画では、老獪なマリア・テレジア
を演じている。40年の時が過ぎたわけだ。あぁ・・・・・
マリアンヌ・フェイスフル 鑑賞@三番街シネマ
ブログを見ると軟派から硬派まで、映画ファンが、皆かぶとを脱いで
いるので、やおらおみ腰を上げて、見てきた。「Virgin suicides」1999
の印象も悪くなかったし。結果は、期待に違わず楽しめた。
ソフィア・コッポラは、親譲りの才能と、良い環境で育った
事を、ちゃんと生かしているので、今後とも大いにやってほしい。
映画技術のことはあまり知らないし
王宮や王族の栄華、贅沢にも関心ないので、
女性の人生という私にも分る部分について感想を。
「世継ぎを」の声が高まるのに、高貴で幼い彼女は、
娼婦上がりのデュ・バリー夫人(Judy Davis が怪演)のようには
巧みに夫を操れないし、自分を国交の道具に仕立てた母
(マリア・テレジア)に恨み言一つ言わず、大人しく「もっと
がんばります」と返信してるのがいじらしく思える。そして、
いつの間にか、突如、彼女は母親になる。次々と、
きのこのように増える子供。このあたりがまるで御伽噺だ。
ソフィアも35歳で母親になったが、こんな感じだったのかな?
革命の暴徒がベルサイユに押しかけてきた時、バルコニーに出て、
深々と一礼する彼女に、打たれたかのように引き上げていくシーン。
「パンが無いならお菓子を」という有名なセリフはでっち上げ
だったというが、このシーンは実話だろうか。
状況が悪くなるにつれて、彼女の美質が輝き出す。とくに、周囲
の貴族たちが一斉に逃げ出すのに、彼女は夫のそばにとどまるという。
タイタニックの船長の如く、ヒトラーのそばのエヴァ・ブラウンの如く
(このたとえは一寸まずいかな)
1人の人間として見れば、どんな人も愛すべき点はある。
でも、その人が、社会的に持つ意味が、大きい場合、
その人の善意も誠実も、意味を成さない場合がある。
「太陽」で描かれた昭和天皇もそうだ。
「無知は無罪ではない」"Ignorance is not innocent."
高校の英語にそういう文があったっけ。
「あの胸にもう一度」(1967)で、裸身に革ジャンをまとい、バイク
”ハーレー1200”にまたがり恋人のもとに駆けつけた、青春の女神のごとき
マリアンヌ・フェイスフルがこの映画では、老獪なマリア・テレジア
を演じている。40年の時が過ぎたわけだ。あぁ・・・・・
コメント ( 15 ) | Trackback ( 0 )
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貴台がご紹介される映画はあいにくほとんど見ていな為、コメント出来ないのが無念という所です。
なにしろ難しそうな映画は避けてしまうものですから。
イメージ一新に惹かれて一言の次第。ご寛容の程を。
でも「マリー・アントワネット」が難しいなんてことは決してありません。
ミーハーな女の子たちが皆見に行ってます。
ああ、画像がないので、固い感じがするのかもしれませんね。
確かに私が見たかぎり...けなしてあるブログはあまりなかった気がしますね。
ソフィアの描いたアントワネットは素敵でしたもの。
バルコニーから民衆に一礼するシーン良かったですよね。あのシーンは歴史によると、騒ぐ民衆を恐れ始めは躊躇していたアントワネットが颯爽とバルコニーに現れた時”王妃万歳!!”の声があがったらしいです。あのシーンなんとなく私的に感動しました。まぁ結末はどぼんでしたがね....
マリアンヌ・フェイスフルの革ジャンですか?殆ど記憶にありませんが、そんな映画ありましたよね?
テレジア役ぴったりでしたわ。
Biancaさん、ブルーの壁紙爽やかで素敵です!
いろんな方面からも読んでいかれると、おもしろいです。
コメトラ有難うございます。私もTBを。
熱烈な「欧州城と王族」通(=あなた)の熱気に
当てられて私も見ることになりましたというのは
誇張で、自然と見たくなったのです。昔
小学2年だったかな、学芸会で白雪姫の
魔女役をやったことがあります。(演技賞ものでした)それ以来、可愛いお姫様を見ると
何か意地悪をしたくなるみたいです。
コメント有難うございます。
欧州の王家というと、イギリスなら、ロビンフッド
のころの獅子王リチャードとアイヴァンホーとか
円卓の騎士のランスロットとアーサー王の妃グィネヴィアとの恋とか、スペインならドン・カルロスとフェリペ2世?の妻との悲恋とか、ありますよね。子供向けの本で「王女ナスカ」というのもおぼえています。
結構、王家の話は面白いものですね。ダイアナとチャールズとカミラとの話も・・・
ご覧になったのですね^^
なかなか辛辣なご指摘ですね~ タイタニックの船長もヒトラーのエヴァも(秘書も?)。。確かに「無知は無実とはならない」というたとえは当っているかも・・。
でもまあ映画では「いじらしく」見えました。
監督も演じた女優さんも”美質”を持っているんでしょうね~
マリアンヌ・フェイスフルの変わり様は我が身を見ているようでショックでした(笑) 思い出すのは皮ジャンのジッパーがスルスルと開き・・止めますね(爆)
ソフィア・コッポラの作品は、何だか胸キュンな乙女心と、品のいい感性を感じるのですが、この作品も楽しませてもらいました。後々は綺麗な色合いしか残らないかもしれませんが・・・。(^^;
そうそうソフィアも知らぬ間に最近母となって・・・
この作品でアントワネットの元でギターを弾いていた楽士役が、その父親のようですね。^^
コメントとTB有難うございます。こちらからもTBを。
まあ、古い映画をご存知ですね、うれしいですわ。
ついでですが、先ほどメリナ・メルクーリの「死んでもいい」を調べていたら、マダムSというブロガーに出会いました。あれは、あなた?それとも違います?
ラクサナさん、こんばんわ!
ソフィアが、どんな母親になるか、楽しみですね。
少女らしさを無くさないでいてほしい。あれだけ
余裕のある生活をしていれば、大丈夫かなぁ?
しかし、ギター弾きって、偏見持つわけではないけど、その職業、なんか頼りなさそうですね。
M・メルクーリ「死んでもいい」で検索かけると最初に登場するブロガーさんの所でしたら、それおそらく私です。イーストウッドの映画でTB頂いてコメントお返ししたのだと思いますが・・リンク先が「Brilliant Days」なら間違いありません。
ネットの世界って結構狭いんですよね^^その中で更に映画好きグループに属しているとどこかで繋がっているものです(笑)
日付が、だいぶ前なので、別人かと。
歴史あるブロガーなんですね、マダムは・・
それにお陰で「S」があの人気№1米映画の
ヒロインと同じだということが、分りましたわ。
Biancaさんの記事を読んでいて思ったのですが、史実に悪名を残す人物を主人公に据えた作品って、その人物を「悩んだ末に間違った選択をしてしまった普通の人」風に描く傾向があったりしてつい同情してしまうことがありますよね。
なにしろオリバー・ストーン作品ではニクソンでさえ良い人に見えてしまった・・・。
マリアンヌ・フェイスフル良いですよね!
僕は歌手としての彼女が特に好きです。
そうですよね、吉良上野介が実はいい人だったとか。
何故かと思いますには「自分だけが発見した実像」を発表して、自分の慧眼を誇るとか、「悪人」の名誉を挽回して、自分の優しさを世人に見せるとか、とにかく「自分」が最終目的じゃないのでしょうか。まあ、従来の人間像をそのまま出しても、あまりみなの興味を引かないのは確かですが・・・
『無知は無罪ではない』
という言葉が胸に響きました。
この映画は、目や耳が楽しい映画で、絢爛豪華な映像には魅了されましたが、後半の展開が失速してしまったように思えて残念でした。この映画のテーマではなかったとしても、晩年のマリーの心理をもう少し掘り下げても良かったかな。。。と感じました。
初めまして、ですよね?
マリー・アントワネットに興味がおありで、
役者は好きでないけど見に行かれたのですね。
わたしは、どちらにもさして興味がなかったのですが、評判がいいので、行って見たのです。
日本ではあまり否定的な意見は出ていませんが、
これもヘンかもしれません。両方の意見が自由に
活発にでる方が、映画の発展のためにも役立つのでは?カンヌ映画祭では、初めブーイングが出たけれど、終ったら拍手喝采だったとか。