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映画「サンザシの樹の下で」



2010 中 114分 ★島根県民会館名画劇場★
監督 張芸謀(チャン・イーモウ)出演 チョウ・ドン・ユイ ショーン・ドゥ

文化大革命当時の純愛物語。
農村に下放された女子高校生は一人の若者に会う。
少女は両親がインテリで迫害されており、若者はいい家庭の出で高給取り。
いじめられる少女を常に見守り、何くれと無く支える若者。家族の反対や難病など、妨害にあうと燃え盛る恋心、云々。

恋人たちが非常に素直で健全、周囲の人たちも、紅衛兵のほかは皆よい人で、悪いのは社会状況だけ、西側のひねくれた映画を見慣れた目には物足りないくらいの文部省も推薦しそうな映画。涙を誘われるシーンがあちらこちらあって、見る人は自分にもこのような純粋さがまだ残っていたのか、とその事に感動するかも知れない。

2人が最後に別れる時、橋を渡ってから両岸を、どこまでも歩いてゆくシーン、「君が生きている限り、ぼくは生きているよ」という言葉。日本映画なら喉も嗄れよと叫ぶことが期待されるシーンで、溢れる思いをおさえて静かに語りかける彼女がよかった。

青年が、怪我をした少女の足に包帯を巻くシーン、細い小さな足を愛撫するような感じで、何だか纏足時代の美意識の復活か?とエロチシズムを感じたのはこちらが不純なせいだろう。むしろ、死の前日キリストが弟子の足を洗った逸話に近いのだろう。

涙、涙かと思いきや、生活から自然ににじみ出るユーモアがある。性について無知なヒロインと経験豊富な女友達とのやりとりなども思わず笑ってしまう。


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