【映画】変身

2002年　90分　露　原作　フランツ・カフカ　監督　ワレーリイ・フォーキン　出演　エヴゲニー・ミロノフ　イーゴリ・クワシャ　タチヤナ・ラヴロワ　ナターリヤ・シヴェツ　DVDで鑑賞

（100点満点の85点）

カフカが1912年にこの小説を書いてから間もなく100年。10代の頃読んで、余にも奇怪で残酷なので２度と読みたくないと思ったが、恐いもの見たさについ再読、三読。それに似た気持と、一体どうやって映画化したかへの好奇心でDVDを借りた。

原作に忠実な映画化。虫への変身はCGなどは使わず、俳優が鍛えぬいた肉体で演じる。もともと演劇だったそうだが、それを感じさせず、見事な映画になっている。

カフカの出自を思うと、ヒトラーによって、ユダヤ人が社会の害虫のように駆除されたその後の歴史を、予感していたのかと思う。今日でも、部屋に引きこもる青少年、コミュニケーションを取れない人々がいる事ともつながる。
早く来すぎたカフカ。彼の想像力のすごさ。そしてプラハの街の美しさ。

2002年の東京国際映画祭出品されたとのことだ。

自身映画が好きだったカフカらしく、映画化も多い。
「審判」1963仏　O・ウェルズ監督、アンソニー・パーキンス、J・モロー出演
「カフカ迷宮の悪夢」1991米　スティーヴン・ソダーバーグ監督

そういえば若い頃、カフカ全集をそろえたことがある。
あれはどうしたかなあ。結婚後、アパートが狭くて処分したような。

→「変身」13-12-9