生きているのか

最後に義母(現在満94歳）に会ったのはいつだろう？
昨年の介護施設の夏祭り以来だから、もう一年半になる。
はたして彼女は生きているのだろうか？

Ｋは毎日、深夜出かけて行き、朝は9時過ぎに帰って来る。
時々、シーツや下着を乾燥機にかけるため抱えて帰る。
ここから徒歩で6ー7分の家の前を通ると、夜には
明かりがともる。
介護施設から電話がかかって来たとか、
市役所から年一回の認定に来るとか言う話も聞く。
時々、服を買わなきゃと古着屋で探したりもする。
年賀状もわが家と彼女と二世帯分、買っている。

そういう話を聞くと、どうやら生きているようでもある。
しかし、本人の顔を見ていないので、
すべてがフィクションであるとも思える。

もしそうであるとしたら、何のためにそこまで面倒な嘘をつくのか？
だから、やはり彼女は生きているのだろう。