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「賤(しず)のおだまき」

2017-8-10 平凡社ライブラリー
鈴木彰 現代語訳
笠間千浪 解説

 ≪舞台は薩摩。戦国の世に出会った無双の美少年平田三五郎と青年武士吉田清家。
義兄弟の契りを結び、忠義を尽くし、生死を共にした二人の物語は
男子のあるべき姿として長く読み継がれ、明治期には自由民権運動の機関誌に連載されるなど、一大ブームを巻き起こした≫

と裏表紙にある。

玉龍山とか諏訪神社の馴染みの地名、著者が薩摩の女性ということ、そして
ブログタイトルの類似も、自分と何かの縁があるのかと思う。

思えば、小学生時代にラジオ体操や墓掃除に通った南洲神社には
西郷隆盛と共に西南戦争で死んだ若者の墓地があり、十代の少年がかなりあった。
平田三五郎の名は鴎外の「ヰタ・セクスアリス」※に
言及されているし、また山田美妙「新体詞華/少年姿」にも
森蘭丸、梅若丸とともに取り上げられている。

古代ギリシアの同性愛者だけで編成された部隊を思い出す。
田辺聖子の「残花亭日暦」の中に、夫君の母校鹿児島医専ボート部応援歌が
出てくるが、これも薩摩の風土をよく表しているようだ。

文章は上手だとも思えないが、土地の文化遺産として、掘起こされたことは喜ばしい。


「白洲正子~」18-2-18

※硬派は可笑しな画なんぞは見ない。平田三五郎という少年の事を書いた写本があって、それを引張り合って読むのである。鹿児島の塾なんぞでは、これ元旦に第一に読む本になっているということである。

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