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磯野波平のゆううつ


     県立美術館から見た小雨に煙る宍道湖

「サザエさん」にこんな話がある。(記憶に頼ったので正確かどうか?)

1.父(磯野波平)隣室から聞こえるシュン、シュンという音が気になる。
2.がらりと戸を開けて「鼻をかみなさい、カツオ!」とどなると、カツオと友達がいる。「ボクじゃないよ。OO君だよ」
3.友達「おじゃましています」と会釈し、父は「そうかそうか」とニコニコ。
4.「えっどうしてOO君だったら良くて、ボクだといけないのさ」マフラーを巻いた父、戸外に出たものの、カツオにしつこくつきまとわれて、「もうかんべんしてくれよ」と「シュン」と鼻をすする。

私はこのマンガ、「サザエさん」の中でも特に好きである。
鼻をすする音は、意外に本人は気がつかないものだ。私はひところ鼻炎で苦労したことがあるので、他人のそれも気になる。磯野波平と違う点は、家族だろうが他人だろうが、すぐさま止めさせたくなるということだ。

いつだったか、市立図書館で静寂を破って数分置きに鼻をすする音がする。暫く我慢していたが、そのうち忍耐の限界が来て、立上がり、しばらくの間観察して音の主を突き止めた。その中高年男性に、ポケットティシュを差し出して、「どうぞ」といった。かれはギョッとした様子で腰を浮かしかけた。「あなたの鼻をすする音が、響き渡って読書の邪魔になるのです。ちり紙はお持ちですか」と私。「持っています」と固辞するので、安心して席に戻ったが、暫くすると相変わらず鼻をすする音がする。これ以上はどうしようもなくて、聞こえない所に席を変えた。夫の場合も、さっとちり紙を出すが、なぜか素直に使おうとしない。島根の男性は頑固なのだろうか。

男性だけでなく女性でもシュンシュンならまだいい、ズルズル言わせている人がいる。県立図書館で10分ほどの間に2回も場所を変えたこともある。この土地は川や湖が多く、冬は寒さが厳しいから鼻炎になりやすいのかもしれない。そして、自分の出す騒音には鈍感な上に、プライドだか羞恥心だか知らないが相当に頑固で、見ず知らずの人の親切を受けることも、与えることも良くしない。都会人といえない由縁である。
コメント ( 2 ) | Trackback ( 0 )
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コメント
 
 
 
Unknown (川風)
2010-11-29 16:23:38
雨の日の宍道湖風景も良いですね。
それにしても宍道湖ウサギは人気が有りますね。
パワースポットとか私の若い頃にはなかった現象です。
 
 
 
Unknown (Bianca)
2010-11-30 08:41:40
主題と合う写真を探すのに苦心しました。文中に「この土地は川や湖が多く、冬は寒さが厳しいから鼻炎になりやすいのかもしれない」とある所を強引に、宍道湖と小雨、水がたっぷりあるからこれでもいいかと。良く見たらこの人たち、兎を撮っているんですね。
 
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