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映画「E.T.」

1982 米 監督 スティーヴン・スピルバーグ 出演 ヘンリー・トーマス ディー・ウォーレス 観賞 3月8日@松江SATY東宝 原題 THE EXTRAーTERRESTRIAL

「午前十時の映画祭」の2年目だ。週1度のあわただしい朝がまた始まる。
朝食を1時間早く食べ、おにぎりとお茶をリュックにつめてーもちろん、これは館内では飲食しない、午後のためだー上映10分前に車で出発、顔なじみのスタッフの笑顔に迎えられ、気に入りの席に滑り込むと、昨夜来の緊張がホッとゆるみ、まもなくウトウトし出した。結局、半分くらいは眠っていて、自転車が空を飛ぶとか、指先で傷を治すとかいう、有名なシーンは見逃してしまった。

しかし、口悔しいと言う気があまり起きないのはどうしてか。

本作、どうもスッキリ感にかけるのだ。「激突」の無駄のない構成に比べて、子供向けというか家庭的というか、余計な人や物が登場して、ディズニー映画のような雰囲気だ。5年前の映画「未知との遭遇」はラストシーンがかっこいいのだが「子供が出来てからはああいうラストは書けない」とインタヴューで言っている。

この宇宙人=地球外生物=E.T.だが、宇宙船に置いてけぼりを食うのだから、相当ぼんやりした子供(?)だろう。まあそれで無ければこのお話が始まらないのだが。また彼は感傷的でもある。電話機を見ては「電話、おうち」と、わが家を恋しがったりする。一方、知的には、本やTVを見るだけで地球の文明やことばを自得し、太陽系?の模型をあっという間に出現させてしまう。人類をはるかに上回る高度な文明をうかがわせる。

少年とE.T.はことばを介さずとも、はなれていても交信ができる。教室に座っている少年エリオットは、家でE.T.が缶ビールを飲み干すと同時に彼も酔払う。地球より文明が発達した世界では、ことばを使わないでも交流が可能になるという考え方は、SFの古典でも読んだような気がする。

「ジョーズ」「激突」「未知との遭遇」などの天才映像作家も、このように変化するのか。私も子供がいたら、「E.T.」の良さが分ったかも知れないが……。

ちなみに、最初に見た日の日記
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1987年7月31日[金)22:42
1982年製作のものを、ようやく見る運びとなった。700円の二本立て。主人公の10歳の少年が、非常に美しいのにおどろいた。会場に「少年」風のが集まっているのはこのせいか。
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三軒茶屋の名画座で、2本立てのもう1本は「バック・ツー・ザ・フューチャー」。映画は名画座で見る主義とまでは言わないが、自分の稼ぎがないのに年間200本以上見ていたので、料金と時間と体力の節約のために新作は敬遠していたのだろう。また当時の東京は名画座が至る所にあるといっても良いほどだった。

→「激突」2012-1-16
→「バック・トゥ・ザ・フューチャー」2012-3-24
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