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演劇「天切り松 闇がたり」

松江市民劇場3月例会 3月30日(金)6:30 にて

1000人以上が入る県民会館大ホールで和製ミュージカル。劇団はイッツフォーリーズ。

原作は浅田次郎「天切り松 闇がたり」集英社刊
出演は左とん平、井上一馬、茂木沙月、津田英佑、井上文彦
上演時間 2h45 1幕=1h15(休憩15)2幕=1h15

(ものがたり)
留置場で、老人が、子供のころに見た義賊について語り出す。
大正時代、金持ちから盗んで貧乏人に施す「義賊」たちがいた。
清水の小政、仕立て屋銀次、天切り松こと松蔵(左とん平)百面相の常次、等が登場。

「天切り」とは金持の屋敷の天井を切って忍込む押込み強盗。「闇がたり」とは仲間内の六尺四方にしか聞こえないような喋り方(この喋り方を皆が習得したら、公共の場がきっと静かになるだろう!)

犯罪者とはいえ、権力の中枢におり富と名誉を独占している人たちに対抗した彼らの江戸前のダンディズムは、明治維新で敗者となった人たちの心にしみたわけだ。

和製ミュージカルだけあって、浪曲・講談・チャールストンなどが飛び出し、楽しかった。かっこよい女性がスリのお紺以外は現れないのは物足りないが仕方ないかも。
浅田次郎の小説は「男」を強調することが多いのかもしれない。松蔵は、「俺は男だ!」という文句を教えられるのだが、子供時代を演じているのは女優。その「男」のはずの左とん平がしゃなりしゃなりと女装で現れて「松江っていい町ねえ」などと即興的に喋ると大いに受けたが、いささか皮肉だった。「俺は男だ!」という突っ張りでは間に合わない時代であると言うことか。

1月の「アンナ・カレーニナ」の時ははじめてで緊張もし、息が詰まってしまったが、今回はあれほど混雑せず、良い席(端っこ)を選んで座ったので、終始快適な観劇が出来た。


→「アンナ・カレーニナ」2012-2-8
→「銀色の雨」 2009-11-3
コメント ( 2 ) | Trackback ( 0 )
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コメント
 
 
 
ありがとうございました。 (つちや)
2012-04-07 09:57:16
コメントいただきありがとうございました。
松江には9年ぶりの劇団の来訪です。
各地とてもいい反応をいただきとても嬉しく思っております。
男の芝居を!と思って企画いたしましたが、男気ばかりでは芝居が堅いということで、早替え(役者の着替え待ち)のためにとん平さんに場つなぎをしてもらっています。そのためのオカマシーンでした。
決して世の中に対する皮肉ではありませんので・・・・。
また、イッツフォーリーズのミュージカルに出会えること、願っております。
 
 
 
Unknown (Bianca)
2012-04-07 21:35:32
つちや様
コメントありがとうございます。私は自分が女のせいか、「俺は男だ!」の連呼にちょっと疎外感を覚えたので、かれが女装で現れたのはうれしかったのです。なぜ突然に現れたか分りませんでしたが、時間を埋めるためだったとは。ところでとん平さんを検索したら、10代のころから「オカマ」役がお好きだったとのことで、きっと大張り切りで女装をされたのでしょうね。
土屋様はきっと劇団の重要な役を担っていらっしゃるのでしょうが、こんなブログまで目を配っていらっしゃるのには感服いたしました。またおいでくださるのを楽しみに。
 
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