人村です!

舞台と結婚したと公言する「人村朱美」が綴る舞台生活 毎週火曜日更新・・・したいなぁ

第6回祇園一人ライヴ終了

2008年10月21日 | ライヴ
 いつもどおり前日の土曜に京都へ向かった。
 今回の出し物は『ぼくの人生―シゲルの場合』。これは何度も舞台にかけた一人芝居なので、三年振りの再演とはいえ、やや余裕で出発。
 観客も、目標の50を超えて70人の大入り。嬉しいが、むしろそれが気がかりだった。

 ライヴからお食事への転換がスムーズにいくかどうかが心配なのだ。料理人しかいない“祇園いし田”では、お客様の協力なしには宴会への移行が難しい。
 しかし、お料理を食べ始めた途端に「これは本格的!ライヴ込みで5千円は破格」と皆さん満足なさるので、取り越し苦労とは思っていた。

 今回の敦賀スタッフは市民劇団のNちゃんのみ。二人とも大好きな韓国俳優・ジョンフン君の歌を聞きながらおしゃべりしているうちに、大原周りのつもりが山科へ出てしまった。大原で私の大好きなお寺を観るつもりだったので時間が余る。「よし、それなら!」ということで、前から気になっていた実相院へ目的を変更、岩倉へと車を飛ばした。

 そこは以前、地歌舞・古澤侑峯氏が舞った時、ここぞの場面で紅葉が吹き込み、神がかり的効果があったと聞いていた場所で、友人のN君お勧めのお寺でもあった。
 門の風情がなかなかだ。紅葉にはまだまだ早いが、とにかく緑が多い。院内へ入ると、その緑が、黒光りする“鏡床”に映って何とも美しい・・・。しばし庭を眺めて、翌日のライヴへの思いを整理した。

 いし田の仕込み(舞台準備)は最小限にしたので簡単に済み、夕飯まで、京都スタッフの泰三氏と三人で通し稽古をしたのだが、これが不調に終わった。
 音も照明も一発OKなのに、私の乗りが悪く、集中出来ない。観客数が多く、舞台面が狭いため、セット(ベンチ一つだけだが)の位置が悪いせいだ。

 結局、自分の舞台イメージとは上下(かみしも)が逆転したまま稽古を終えて、大将に美味しい夕食コースをご馳走になり宿へ。この夕食で頂いた馬肉の燻製の味は忘れられない美味しさだった。

 宿では、何と古澤氏とご一緒に。先日彼女の「源氏舞」を観たばかりだったので、あれこれ舞台の話も弾む。
 明日は互いに本番という事で、12時に就寝。
 が、夜中の3時にトイレに起きた私は、そのまま朝6時半くらいまで悶々と眠れなかった。「ベンチを何処に置くべきか・・・」頭の中はそればっかり。結論が出てようやくウトウトしたら、起床の時間になっていた。

 さて本番。
 案ずるより生むが易し。お客様の前へ出た途端、絶好調に。全く役者というのは分からない。寝ないで整理した頭の中のプランが次々に開花してゆく。しゃべりの無駄もなく、時間的にも予想通りに進んで、食事会も和気あいあいで、14時にはお開きとなった。

 原作の素晴らしさに助けられた。飲む席で死を扱った内容の出し物をかける事に不安があったのだが、杞憂(きゆう)だった。
 大阪の友人の関係で、初めての若い人が10人ちかくも来て下さり驚いたが、皆さんじっくり楽しんで下さったようで嬉しい。関西敦賀人会の皆さんも、敦賀からのご常連も、伊勢の仲間も、苫小牧のお客様も来て下さり、バスツアーや受付を仕切ってくれた友人たちにも感謝。

 いし田は、終演後すぐに別の宴会が入っているとの事で、若人の手も借りて大車輪で片づけをし、秋の京都へ繰り出したのが午後3時。
 空は晴れ、絶好の行楽日和! 充実感と一緒に、都の香りをお腹いっぱいに吸い込んだ。

 三人でたらふく食べて打ち上げし、御代はちょいとだけ参加の大学時代の友人H氏が払ってくれてラッキー!

 Nちゃんと、満天の星に歓声を上げながら帰敦した。本当に凄い☆だった!

 深夜、H氏から「テレビの衰退が進む今、少数とはいえ満席の観客をドッと沸かせられる場を継続している事は凄い。これからも応援し続けるよ。やりたいことをどこまでも続けろ」と力強いメールが届いた。

 一人ではなかった長い道が、まだまだ先へと続いている幸せを実感した一日だった。


*注*
  ”いし田”が、8時15分からのNHK朝ドラ『だんだん』の
  舞台に。
  大将が監修をしている関係でロケが行われました。
  放送日は11月8日(土)。大将も出ますよ
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